理想的な企業は資本をたくさん使う


「理想の会社はどういうものですか?」質問の時間になり、ひとりの株主がきいた。「資本に対するリターンがきわめて高く、その高いリターンに見合うように資本をふんだんに使っている会社です。そうすれば複利製造マシーンになります」とバフェットは答えた。

「ですから、選択できるのであれば、その会社に一億ドルを投入して、その資本の20%の利益―2000万ドル―をあげられれば理想的です。翌年には一億2000万ドルの20%、その翌年には1億4400万ドルというように増えていきます。資本をこういうふうにずっと再投資できれば最高ですが、そんな会社は、ごく稀にしかありません・・・ですから、そういった会社から生まれた資本で別の会社を買うという手もあるわけですね」
(「スノーボール下」 アリス・シュローダー著 日本経済新聞社 537頁より)

バフェットは、当初、グレアムの教えに従い、資産価格の3分の2の会社を買っていました。

それではシケモク・・・最後のひとすいができるだけでたいした儲けにならないので、アメックスやコカ・コーラなどブランドがしっかりしている会社を買い始めました。

バフェットは、良い会社を有料の橋に例えています。資本は投下済みで再投資する必要がないからインフレにも強く、そこを通らざるをえないからずっと収入が入ってくる・・・・。

その後、鉄道会社や電力会社など、投下資本が重い会社を買うようになりました。

「有料の橋」のような会社は、そこから上がる収益の再投資先を、さらに別に探さなければなりません。ところが、鉄道会社のように自社の事業で再投資先がみつかる投資先なら、収益を再投資するための別の投資先となる会社を探す必要はありません。ROEの利回りで企業価値が複利で増えていく・・・・。


バフェットの「良い会社」の定義って、移り変わっているんですよね。

再投資先となる会社をたくさん見つけられる方は、「有料の橋」のような会社を買えばよいでしょう。儲けを別の会社を買うために使えばいい(・・・バフェットと違って個人投資家のあたしたちは、配当を受けた時点で課税されちゃいますけど)。

良い投資先は厳選されていて容易に見つからない、という前提の方は、成長余地があり内部留保して再投資してくれる会社を探すことになります。そんなにポンポン、投資できる会社なんか見つからんよ、ってことですね。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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2件のコメント

  • uk

    アクティビストも「他に有望な投資先がなくて現金溜め込むなら配当で株主に返して下さい。分散投資は株主レベルでします。」ってのが常套文句ですからね。株主のほうが投資先の経営者より目利きが出来ればですが。

    ところで、Suriaちゃんは投資家専業なら配当無税の国へ移住は考えないのですか。釈迦に説法ですが、20%課税の有無で長期の投資リターンはかなり差が出るので、投資を突き詰めると税務は無視できないです。

    • suriaちゃん

      んー、税務面ではそのとおりですが、税金のために住む場所を変えようとは思わないですね・・・日本語の本を紙の本で読みたいですし、安全面とかティッシュの質とかトイレの綺麗さとか、日本は素晴らしいと思います。電柱が多くて景色が汚いですけども・・・仮に1兆円の資産をこさえても移住はしないですね。旅行で足りると思います。

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