FXデイトレード!!

FXデイトレード・スイングトレード 単行本 – 2020/6/20
キャシー・リーエン (著), 深美 智彦 (翻訳)

「コモディティ投資についで、とうとうデイトレを始めた」・・・・というワケではありません。

「余剰資金を円にしておくべきか?」という問いの回答は、「ゴールドにしておくべき」以外にも、「スイスフランにしておくべき」といったものもありえます。投資家は、結局、お金と交換できるもの、全てについて勉強せざるをえません。

・・・・ところが、為替に関する良い本って、これまた、ないんですよね・・・FXというと、どうしても「チャート分析」「デイトレ」ばっかりで、ファンダメンタルについて突っ込んで書かれた本がないんです。あっても、出版が古かったり、「オーストラリアは資源国なので、豪ドルは資源価格の影響を受ける」くらいの記述しかなかったり・・・・。

そんな中で、この本は、ファンダメンタルズや通貨それぞれの特徴について、そこそこの分量が記述されています。著者は、「マクロFXトレードの女王」らしいです・・・・パフォーマンスは書かれていませんが。


以下、勉強になった点を、まとめてみます。本からの引用ではなく、勝手なあたしの要約です。

1 最強の通貨を買い、最弱の通貨を売れ!!

 株を買うときは、いうなれば、「円を売って株を買っている」わけです。FXは、必ずある通貨を売って、別の通貨を買いますので、「何を買うか」という選択と、「何を売るか」という選択もあることになります。で、最強を買うだけではなく、併せて最弱通貨を売れば、当然、勝率は上がることになります。これは、FXの面白いところですね。

2 どういう通貨が騰がるの?

ではでは、強い通貨とは?

まずは、貿易黒字、つまり輸出が強い国の通貨です。その国の商品を買うために、その国の通貨が買われ、通貨が上昇します。逆も然りです。日本は、機械やクルマの輸出で外貨を稼いでいましたから、恒常的に円高圧力があったわけです。アメリカ人が、日本車を買うために、ドルを売って円を買っていたわけですね。
 貿易のみならず、経済成長が強い国の通貨も強いです。経済成長があれば、その国に投資するために、投資家がその国の通貨を買ってその国の株式を買います。アメリカは貿易赤字ですが、みんながこぞって米国債や米国株に投資するので、大きな暴落はしていません。高い利回りを求めて、自国の通貨を売ってドルを買い、米国株を買うわけです。で、ドル高になる。反対に、経済が成長しない日本株を、わざわざ円を買ってまで投資するヒトは、あまりいないので、円安になります。

 結局、株式や国債など金融商品であれ、あるいは商品や製品など実物であれ、とにかく、「ほかの国ではなくその国で買いたいものがある」場合、通貨が強くなることになります。

3 どういう通貨が下がるの?

 では、弱い通貨とは?上記の反対で、貿易赤字の国、低成長の国、不景気の国です。金利が下がり、量的緩和によりお金がだぶつき、かといって外国からモノを買うために自国通貨を売る必要がある・・・・うーん、今の日本ですね。

 こうして、FXでは、最強通貨を買って最弱通貨を売るわけです。株式投資に慣れていると、そういう二面的な発想、面白く感じますね。株を買うとき、「円が最弱だ」と思って円貨を株にしているわけではないので・・・。


 で、こうして整理してみると、円って、騰がる要素がないですね。経済は、低成長。だから、量的緩和も続き、金利も低い。で、円安になって、貿易赤字が拡大して、それがさらに円安を呼び込む。経済に魅力がないので、海外投資家の投資も呼び込めない・・・。人口が増えない日本は、今後も低成長ですから、低金利、株安に続き、円安傾向は続くと言わざるをえません・・一時的に「ドルが下がる」ことによる円高はあるかもしれませんが、「円が高くなる」要素はないですね。


 スイスフランはゴールドに連動し、オーストラリアドルは鉄鉱石に連動、といったコモディティとの関連があったり、「結局、①独特な商品が作れて、②成長性がある国の通貨だと買い、って、株と同じだわ」と気づいたり、通貨の勉強も面白いな、と思いました。

 バフェットも、貿易赤字によるドル安が心配される時期には、通貨のポジションをとったり外国株式を買ったりしていました。あまりクローズアップされませんが、「バフェットの手紙」(パンローリング)の「外国為替と株式」の項にいくつか、そういった事例が書いてあります。
 あたしも、徐々に通貨分散しなければ・・・・・米国株が暴落したら米国株でも買いますか・・・やだなあ。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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コモディティと通貨本の書評

4件のコメント

  • ゴムタイヤ

    円安は続くでしょうね…
    私に日本株と同様のファンダ分析が米国株でもできたならと思いますが、それが出来たら苦労しないので、結局円安、資源高の影響が少なそうな日本株を買っています。
    ただ現金にしてある分は、大人しくS&Pでも買うのがいいのか、ドルに変えて為替差益分だけでも取りに行くのがいいのかなんて考えてたり…色々と悩んでいます笑

    • suriaちゃん

      そうですね・・・アップルだのグーグルだのを分析したうえでホールドできれば最強なのですが・・・

      ここまで円安が進むと、怖いですよね。

  • ほんぴ

    こんにちは!
    いつも慧眼を持つ分析、敬服しております。
    円安進行ですが、そろそろ加熱感もあり政治的な介入期待での
    反落、また、素人個人投資家がしこたまロング抱えた時点での
    機関投資家の仕掛けを期待しています。
    まだまだでしょうか?大した分析もしないのに、日本人って
    逆張り大好きな人も多いですから、その人達が焼かれてからで
    しょうか(笑)。

    • suriaちゃん

      コメント、ありがとうございます!

      125円とかになれば、口先介入くらいはあるかもしれませんね。ということで、あたしも今からのドル買いは躊躇しているところです。

      とはいえ、実効レートではもともと割安ですから、「円安になったとしても、125円で止まる」みたいな、理論的根拠がないので、まだ円安が進むのか・・・?手を出しにくい・・・

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