すごい需要予測

すごい需要予測 不確実な時代にモノを売り切る13の方法 (PHPビジネス新書)
山口 雄大 (著)

あたし達投資家がやっていることは、将来の企業の利益予測です。ミクロ的に言えば、その企業の商品の需要予測です。気象予測であれ選挙予測であれ、不確実な状況で将来を予測する技法は、投資以外の分野であっても何かと参考になりますので、買ってみました。

需要予測・・・・たとえば、ユニクロのエアリズムが、この夏、どれくらい売れるか。予測に基づいて発注するわけです。しかし、予測より売上が下振れれば在庫があまり、上振れれば欠品となってしまいます。既存商品なら、過去データを参考に、気温とか色や形のトレンドなんかで補正して算出すればいいと思いますが、新商品はどうしましょう?

この本には色々なアプローチが書いてありますが・・・・・

「需要への影響が特に大きな評価軸を3つ程度にしぼりこみ、選択肢として予測をしたい新商品と、すでに発売になっている既存商品を4つ程度選定します」(同書148頁)

で、評価軸に沿って点数をだし、3つの評価軸の点数を合算して、既存商品の需要から導き出す。


ポイント①。評価軸は、多ければ多いほど良いというわけではなく、重要なものに絞ります。不確実性が高い状況での判断では、情報は、重要なモノを精選した方がいいという研究結果があります。

ポイント②。新商品と既存商品Aをいきなり比較して結論をだすのではなく、評価軸ごとに比較することを繰り返して点数を合算して結論を出す。たとえばお洋服だと、色、形、値段、機能性など、いろいろな軸があります。それらをいきなり総合判断するのではなく、選んだ評価軸ごとに判断する。ニンゲンは、複数の判断軸があると判断が鈍りますので、一対比較を繰りかえす。


株式投資にも十分、応用できますね。

オープンハウスという株を買うべきか?・・・・分かりません。これは、質問自体がマズイ。比較する対象がないので、回答しにくいのです。

オープンハウスとプレミアグループ、どちらを買うべきか?・・・・これも答えにくいですね。評価軸が明確でないし、「いきなり総合判断」を迫られます。「なんとなく」で答えてしまいそう。

オープンハウスとプレミアグループ、3点満点で、それぞれ、
①成長性は何点?
②競争優位性は何点?
③割安度は何点?

ずいぶん、答えやすくなりましたね。オープンハウスはもう時価総額7000億円ですので、成長性は・・・1点かなあ、プレミアグループは3点。競争優位性は・・・えぐい営業力+狭小地三階建て、かたや故障保証という、どちらも堅固な優位性を持っているので、両社とも3点。値段は・・・どちらも適正価格というところでしょうか、両社2点。

 ということで、合計6点と8点、よし、オープンハウスは削って、プレミアグループに投資しよ・・・・。

「シナリオを複数つくって幅のある予測を行い、随時更新していく」といったことも書かれており、とても参考になりました。一対比較、今後も使っていこうと思います!!

今日も、一対比較の末に生き残ったステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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