投資のカナメ、永久成長率②
前回、
「企業価値≒継続価値≒永久成長率によってかなり決まる。」と書きました。
で、永久成長率って「永久」とか言うけど、割引を考えると、6年目以降-20・30年くらいの成長率なんじゃないかしら、というお話もしました。40年後にどれだけ成長するかなんて、企業価値に影響はほとんどないので。
で、ここからわかるのが、「20-30年」の平均的な成長率が高い企業の価値は高い、ってことです。
永久成長率を5%とできれば、(割引率を8%、FCF≒純利益の場合)3%で割るわけなので、100÷3でPER33倍になるんですよ。すごいですよね。末永く5%で成長できるとPER33倍がつくんです!!
バフェットが「すばらしい企業とは、20年後30年後にもすばらしい企業でありつづける企業のことだ」とか言ってましたが、こういうことなんですよ。「長期目線で腰を据えていきましょう」とかいうフワフワした話ではなくて、「永久成長率5%をDCF法で計算するとPER33倍が許容できる」って話です。だからこそ、安定した事業環境、耐久力のある優位性、(成長=再投資なので)高い資本効率が必要だって話です。
逆も考えられます。
つまり、「20-30年レベルの成長性に関係ない話は、企業価値に影響を与えない」ってことです。ロードスターキャピタルはROEも成長性も抜群ですが、20年後30年後も5%成長を維持できるでしょうか?チャームケアの不動産事業は素晴らしい利益を上げていますが、20年後30年後も5%成長を維持できるでしょうか?
こう考えると、「単年度の利益は大きいけど、継続性が微妙」なビジネスにPER5とか7しかつかないことが納得できます。
株式会社制度が始まった大航海時代では、「出資を募って航海に出て利益を分配して終わり」という一回コッキリの出資だったかもしれませんが、現代では違うんです、企業は20-30年続くのが前提で企業価値が計算されるんです。で、そこで重要なのは、20-30年の成長率が4-5%いくと見積もれるか?ってことです。「ここ3年は高い利益をあげられるけど、20-30年の成長率がよくわからん、保守的に0%にしとこう」って企業には、(割引率8%なら)PER12になっちゃうんです。PER12以下なら、20-30年後に衰退、マイナス成長している可能性を市場が視野に入れているってことです。
ということで、重要なのは、
20-30年の成長率が4-5%いくと見積もれるか?
というお話でした。
さらに具体的に言っておくと、「20年間、事業環境が変わらなさそうで、20年間もちそうな優位性があり、ROE20%なら利益の25%を再投資にまわし、ビジネス拡大余地が3倍弱(1.05の20乗は2.65)あるか?」ってことです。
オートローンは、今後20年間も仕組みは変わらないでしょうか?
中古ビルの売買は、今後20年間も仕組みは変わらないでしょうか?
カラオケ店は、トレファクは、クルマのコーティングは、amazonは、マイクロソフトはどうでしょうか?
今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。