アップガレージを分析しなおす

またまた「分析しなおす」シリーズです。

なお、前提として、アップガレージの核はリユースであると仮定しておきます。アップガレージは、アップガレージとそのFC、タイヤの卸と2種類の事業があるわけですが、前者は粗利60%(FCはもちろん原価なし)、後者は粗利10%であり、「粗利の段階では」90%がアップガレージとそのFCです。

セグメント別の営業利益が不明(四季報にも書いてない)ですが、「見るべきはアップガレージ」、しかもバイクなどと違ってカー用品は単価の高いタイヤとホイールがあるので、(バイクやサイクリングでなく)「カー用品の」アップガレージに注目します。

1 高ROEを継続できるか?

現在、アップガレージのROEは17%です。立派な数字ですが、「飛びつきたいほど高い」というほどではありません。分解してみましょう。

まず利益率ですが、3,4ときて5%です。タイヤの取付など単価が高いものを増やして利益率を上げると言っていますし、フランチャイズも現在111店のところ、毎年7-10店増やすと言っており、FC比率が高まれば利益率はあがるでしょう。ここは伸びしろアリですね。競合がおらず、粛々と中古を買い取って売るだけの商売なので、粗利率が下がる事態は想定しづらいですね。

次に回転率ですが、2.5だったのが直近では2になっています。ビジネスが複合的すぎるので原因はわかりにくいです。在庫は3ヶ月で売り切る方針なので、回転率は悪化していないと思いますが・・・・。資産の大半は現金、在庫、売掛で、現金が以外に多く、資産の36%が現金です。買い取りを強化して現金を使うスピードが鍵ですね。

最後にレバレッジですが、今は1.5というところ。営業CF>投資CFですし、そもそもFC店が増えていく感じなので、レバレッジは、多少下がる・・・かな?

ということで、資産の回転率がちょっと怖いですが、現金の運用なので改善の余地はあるでしょうし、利益率はあがる材料しかありません。このままROE20%超えを目指してほしいところです。そうでないと、インデックス負けするおそれがでてきますし。米国株の平均は17%くらいですからね。

2 成長の余地はあるか?

現在、FC合わせて140店くらいで、これを300店まで増やすとしています。年間20店出しても7年かかりますので、当分は大丈夫でしょう。FCも新規は公募せずに既存オーナーが増設する形で出すくらいですから、新店出店が困難とも思われません(在庫を集めるのは大変そうですが)。

サイクリングやネクスリンク、海外出店など、伸びしろはたくさんあります。

3 バリュエーション

来期FCF4.1億
割引率8%
今後5年成長率15%、永久成長率2%
ネット現金4億

で計算すると、理論株価1400円となりました。成長率13%でも1300円です。現状の株価700円弱では十分に割安といってよいでしょう。

4 決算のセンターピンは?

粗利の90%がリユースであり、その売上は店舗数に比例しますから、まず既存店の売上が100%を超えているか。あとは、新店がコンスタントに10%以上つまり15店くらい、出せているか、ですね。

月次報告の開示がありますので、その2点をしっかり見ていれば、決算は遅行指標と言えましょう。

ということで、伸びしろもあり、株価も安く、競合もいないと定性的には優れていますが・・・・・ROE17%かあ・・・・プレミアグループもロードスターも30%超えなので、「そのあたりの持ち高を減らしてアップガレージを買うか」と言われると、ちょっと躊躇しますね。

(資本)利益率の向上と、海外出店やサイクル事業の躍進がないか、チェックしていきたいと思います。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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