超ド級の投資本がでたよ②

で、低PER株もこれからはみてみようかな、と思いました。実際、監視銘柄を検討してみましょう。

どれどれ・・・・コシダカはPER13ですが、ネットキャッシュどころかネットデット200億円くらいで時価総額880億円かあ・・・そうすると、ネットデットゼロとした場合の実際のPERは16で、毎年4%程度の減益おりこみかあ・・・割高とは思わんけど、割安ではないかな。

トレファクは、20億円のネットキャッシュだけど、在庫商品を含むので実際はネットキャッシュゼロかな・・・で時価総額300億円、PER15・・・これも別に割高とは思わんけど、割安ではないな。負債の多寡を考えると、バリュエーション的にはコシダカと変わらないんですね。

ラウンドワンは、リースを除いて250億円のネットデット、時価総額1700億円、PER14。実際のPERは16かあ・・・やはり、割安ではないな。

うーん、半端な(?)成長株では、難しいですね。そもそものPERが10を超えているので、10年後以降どうなっているかも検討する必要がでてきてしまいます。

「低PERは将来の業績予想を10年後まで真剣に考える必要はありません。10年後の利益は相当落ち込んでいることがすでに株価に織り込まれているのであまり関係ないのです。それに対し、高PER株は10年後の利益まである程度予想する必要があります。我々はそれが苦手なのもあってPERの高い成長株は手掛けないのです。その意味では、低PER株のリサーチの方が楽だし効率的です」(同書114頁)

うーん、切れ味鋭いご意見・・・・低PER側からスクリーニングしたほうが早いですね。

フルキャストはPER9.5、ネットキャッシュ120億円、時価総額750億円。実質PER8。毎年10%近い減益を織り込んでいる値段で安いですね。とはいえ、「本当に」減益する可能性もゼロではない・・社会保険料の負担増や景気が悪くなれば・・。また、「成長しようとする強い意思」があるかは微妙です。創業者社長ではないからね。安いんだけど、「割安株かつ成長株」かは微妙ね・・・。

アップガレージはPE10、ネットキャッシュ10億円(在庫をゼロ評価してですが)、時価総額53億円。実質PER8で、やはり毎年10%近い減益を織り込んでいる値段。店舗数を増やしているので、それだけ減益することはほぼありえないでしょう。EPSの上昇幅だけをみるとインデックスに勝つか心もとないですが、「PERも切り上げがある」と見通すなら、インするのはありだと思い始めました。ただ、時価総額50億円ですから、機関投資家が入れるようになるのはいつのことやら・・・・・。ポートフォリオの一部として3年は寝かせる覚悟が必要、かな。

ERIホールディングスは、PE9.3倍、ネットキャッシュ30億、時価総額134億円。実質PER7です。これも割安!アップガレージと同じく、「PERの切り上げも想定するなら」投資は十分ありえそう。ただ、「成長する強い意志」かあ・・・・あるのかな?社長は創業の大株主というわけではないし・・・。

グッドコムアセット、PE7、ネットキャッシュ60億(仕掛不動産をゼロ評価にして)、時価総額300億円。実質PER5.6。社長の「成長しようとする強い意志」も十分ですね。フロービジネスなので、今後どうなるかの予測可能性は高くありませんが、ある程度ポジションをもっていてもいいかも。

いままで、「よくわからん」「低成長」と切り捨てていた銘柄のなかでも、「PERがあがる効果」でインデックスを上回る銘柄はありそうな気がしてきました。なにせ安いし、ERIもアップガレージもグッドコムアセットも、優位性もなかなかのモノですし。

プレミアグループは、どうだろ・・・金融業だから直接的に(流動資産ー負債)をやるわけにはいかず・・・固定資産など換価不能なものを除いて資産ー負債とすると、ちょうどネットキャッシュゼロかな・・・もう4Qなので、次次期のEPSを140とすると、PER13.5。5-6%の毎年の減益を織り込んでいる・・・・多少、安い、という程度ですかね?金利次第では別に安くはありません、高くもないけど。


KeePer技研は、ネットキャッシュ+30億円、ただし時価総額1600億円、PER30。PER30だと、「今後永久に」大きな減益はほぼない、という計算になります・・・・壮大ですね(笑)

以上の議論は、実は、「同じ幅の増益か減益が永久に続く」というのが計算の前提なので、利益が大きく成長している株にはちょっと使えないですね。一定期間成長が続いたら、その後、「同じ幅の増益か減益が永久に続く」という二段階モデルにしなければならないので。

PERの使い方以外にも・・・

IPO株は、ベンチャーキャピタルが儲けを極大化するため、会社が大きく成長しているようにみえる時期に上場させるので「バイアスのかかった厚化粧の状態で出てきている可能性が高く、IPO時の業績の伸び率をそのまま将来に伸ばして考えるのは危険」だとか・・・・

リスクプレミアムという考え方はおかしい・・・業績予想に自信がなければ割引率をあげるのではなくて端的に業績予想を低くして計算すべきだとか・・・・

いやはや、勉強になる点がてんこ盛りでした。今年買う投資本のなかで、ダントツNO1の予感。

「低PERでそこそこ成長」も、場合によっては買ってみようかしら。「確実な成長性」を予想するよりも、負けるリスクは少なそうですが・・・・。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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③バリュエーション、そして売り本の書評

2件のコメント

  • ろくろう

    青山財産はどうでしょうか?

    67.3 億円のネットキャッシュと 25.1 億円の投資有価証券を保有で、合計92億円。
    今日現在で真の時価総額は175億(267億ー92億)なので、実質PERは7.7倍程度になると思います。

    只今期の計画が中計を大幅に下回っているのが、とても痛いですが。。

    • suriaちゃん

      そうそう、青山財産も、「低PERだから下落余地ない」とすれば、買ってもいいかな、と思いました。

      ただ労働集約産業っぽいですし、おっしゃるとおり進捗がいまいちなので、「安かろう、悪かろう」はこわいですね・・・・

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