買うべきコモディティはコレだ②

 コモディティについて、あたしなりのポイントを、簡潔にまとめてみたいと思います。まずは、ゴールド。

ゴールド

 ゴールドは、鉱山から発掘された後、中央銀行が買ったり、インドの宝飾品需要で買われたりしますが、そういった「実需」の動きよりも、もっぱら、投機要因で動きます。そして、その要因は、「実質金利」。
 
 ゴールドは、もっていても金利がつきません。ですので、金利が高くなれば値段が下がり、金利が低くなれば値段が上がります。ですから、①名目金利つまりFRBの動向と、②インフレ率を予想して買うことになりましょう。実質金利=名目金利ーインフレ率ですからね。シンプルでいいですね。

原油

 まず供給ですが、米国、ロシア、サウジアラビア、カナダなどで採掘されています。6月と12月、年2回のOPECの総会も重要です。サウジアラビアやアラブ首長国連邦などが、増産減産を決めます。

 需要については、冬の暖房需要、そして、夏のドライブのための需要。つまり、天候と景気を予測することになります。

 供給も需要も、両方予測しなければならないですし、かたやOPECの意向の予測、かたや天候の予測ですので、大変ですね。「脱炭素政策」のせいで新規油田開発が遅れ、底堅そうですが・・・・。

トウモロコシと砂糖、大豆

 トウモロコシはアメリカと中国。砂糖はもっぱらブラジルが生産して輸出。大豆はアメリカとブラジルが主な産地です。ですから、供給面では、生産時期の産地の天候、アメリカでいえば、作付けの5月から収穫の11月までの天候が要因となります。「天候相場」という。

 需要面では、いずれも、食品や牛、豚の飼料として消費されるので、ここは短期で大きな動きはありえません。しかししかし、砂糖、トウモロコシ共に、バイオエタノールつまり燃料としても使用されるので、原油価格に応じて変動もします。原油価格が高くなれば、エタノールにまわされるトウモロコシなどが増え、それらの値段があがる。逆もあります。

 供給面では天候を予測しなければなりませんし、需要面ではほかのコモディティが変動要因に入ってくるということで、極めて難易度が高いと思います。

小麦

 供給は、小麦は、EU、中国、インド、ロシアで半分以上の生産をしていますが、生産地が全世界にわたっていますので、「米国の天候のみで値段が動く」ことはありません。そこが、トウモロコシや砂糖などと大きく違うところです。

 需要については、小麦も食用です。中長期的には、中国インド、アフリカなどの人口が増えて需要が増大するでしょうが、短期で大きな変動はないでしょう。

 主に供給を見ていればいいので、とうもろこしや砂糖よりは難易度が低そうに思いましたが、特定の産地に集中してみていればいい、というわけではないのがネック。



 あとは、銀、プラチナ、銅、亜鉛、錫、コーヒーといったところがありますが、詳しく解説している本がありません・・・。

 こうしてみると、農産物は、「主要産地の天候」が必ず影響してしまうので、基本は天候予測です。気象予報に長けていたり、産地の天候を随時把握できる立場にあるなら別ですが、ここで優位性を発揮し、ヒトより優れた予測をするのは難しいのではないかしら。
 原油も、需要について天候が影響するほか、OPECの意向という人為的なものの動向を予測することになるので、苦しいですね。

 ということで、あたしが買うなら(「買うべき株がないときに、余剰資金を円にするかコモディティにするか迷ったら」という意味ですが)、予測変数が少ないゴールドかな、と思いました。あるいは、分析を放棄してコモディティインデックスを買う。ゴールドは、基本は株式市場と逆相関、つまり株価が下がればゴールドがあがるはずなのですが、株と同時に下がる現象もしばしばみられるので、そういった意味では難しいところがあります。株価の下落のときに余剰資金を用意しておくという意味であれば、結局、現金にしておいた方がよいかもしれません。

 ま、あたしが買った翌日、停戦を合意してコモディティ激下げでしょう。平和のために、ゴールドでも買いますか・・・。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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コモディティと通貨

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