知っておくと得するPBRの公式

バリュエーションの教科書
森生 明 (著)

コーポレートファイナンスの本を、さらに読んでいます。DCF法の話があり、資本コスト、つまり、資金を調達するのにも、借入金なら利息、新株発行なら「株主の期待」というコストがかかること、などが書いてあります。

一番、勉強になった点。それは、


PBR=ROE×PER


という分解です。

PBR?

そこからですか。株価÷一株当たりの純資産額。

それが、どう役に立つっていうの?

会社は、建物とか机とか持っています・・・正味、10億円分、財産を持っているとしよう。その会社が、7億円で売られているとしたら?

会社を7億円で買収して、建物や机を売れば、3億円、もうかる!!

理論的にはそうね。では、20億円で会社が売られていたら?

なんで、持っているブツ以上の値段がついてんだよ・・・ちぇっ。

そう、ポイントはまさにそこ。会社に、持っている資産以上の値段が付いている。つまり、「モノの寄せ集め」以上の価値が生まれている。そこが、まさに、企業の価値にほかならない。

にゃるほど・・・単なる建物や備品の集まりに、プラスαの価値がついているってことね。

で、そのプラスαは、ROE×PERというふうに、分解できます。ROE・・・例えば、100万円を元手に年間20万円かせげる能力があったら、それはROE20%。

で、PERは、低ければ割安という指標で・・・

それは表面的な理解だわ。PERは、その会社の成長期待ってとこ。利益が倍々になっているイケイケ企業ならPER40とかになるし、斜陽産業ならPER5とか8とか。

オープンハウスは成長しているのに、PER10にゃ!!

なんだかんだ、借金多いからね。「家を売る」っていうのは、リピーターがいる安定商売じゃないし。そういう面で、「安定的に成長する」とは言い切れず、PERは低めになっているんだと思うわ。

ともかく、PBR、つまり企業の価値は、①ROEつまり資本効率、そして②PERつまり成長性の2点をみれば、大枠OKってこと。

PBRが高いということは、ROEまたはPERのいずれか、あるいは両方が高いということになります。

ちなみにオープンハウスは、PBRが約2.5、ROEが25,PER10、というところです。「ROEの高さが企業価値を生んでいる」と言ってよいでしょう。

では、なぜROEが高いのか?・・・・みてみると、レバレッジが高いというのもあるけれど、営業利益率が高いことからROEが高くなっている・・・・では、なぜ営業利益率が高いのか・・・・粗利が20%と高いから・・・なぜ粗利が高いのか・・・・安い変形地を宅地として売るから・・・・であれば、ROEが一定程度高い状態は続くであろう、「安い変形地を宅地として売る」のは不変であるから・・・・と、考察は進んでいきます。PBR=PER×ROEという

「この公式は意外に知られていない(分析ツールとして日常的に使われていない)が、これこそがバリュエーションの中核にあるシンプルな公式であり、この式に企業価値算定のすべての構成要素が凝縮されている」(同書3頁)


ここを読むだけで、この本を買った価値がありました。たしかに、PBR=PER×ROEって聞いたのは、初めてでした・・・・。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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