機関投資家には絶対に勝てない理由

入門オルタナティブデータ
渡辺 努 (著, 編集), 辻中 仁士 (著, 編集)

を読みました。

オルタナティブ?データって?

衛星画像、電気の使用量、携帯電話の位置情報からわかる客や工場での稼働人数・・・そういうのがオルタナティブデータでーす!

ニトリに投資するとしましょう・・・ワターシたちは、衛星画像をみて、ニトリの各店にどれだけ客が入っているか、リアルタイムで把握し、月次情報が出る前に株を売買しマース!客数の増減?そんなもの、月次情報が公表される1月前にわかってるんですヨー!

ユー、今どき、決算書よんで投資してるんデスか?クラシックですネー!!

ずるーい、インサイダーにゃ!・・・・あとでこっそり、各店の客の入りを教えてください。


 本としては、「ザ・大学の教科書」って感じで、ちょっと読みづらいです・・・内容が堅い。

ただし、投資に際してオルタナティブデータをどう活用しているか、野村證券の方が一章を割いて解説をしてくれてまして、

■東電が公表している5分ごとの電力需要データから、鉱業生産指数を推定する。
■ケータイのGPSデータから、自動車工場の工場内の人数を計測し、自動車生産量を推計する。

などの事例が書いてあります・・・・なるほど・・・・よく考えるわねえ・・・機関投資家って、ずるいわあ・・・自分たちだけ月次情報を先取りしているのと同じじゃない・・・・。

電力のデータはネットからあたし達もとれますが、GPSデータは個人投資家では活用できませんね。これはもう、どうしようもない。
短期的な情報をとるスピードでプロに勝つのは、どんどん難しくなっていくでしょうね。ということで、企業の長期的な優位性の有無の判断など、瞬発力がものを「いわない」分野でないと、勝負してはいけないんでしょう。


あと、ちょっと話がずれますが、オルタナティブデータではないけれど、決算書以外で「把握しておかなければお話にならないデータ」って、各銘柄ごとにあります。

電気の小売のグリムスであれば、電力市場JPEXの価格。LNGや石油の価格、それらの先行指標。
不動産売買・賃貸のロードスターキャピタルであれば、三鬼商事の東京のオフィスの空室率。
戸建て住宅のオープンハウスなら、木材の先物価格や、住宅関係の価格推移などがわかるレインズの月例速報も目を通しておくとよいですね。


こういった「各銘柄で見なければならないデータ」は確実にあるのですが、投資する時、誰も教えてくれません・・・これを探すのが楽しかったりします。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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