投資しない理由を明らかにしよう


ブログの読者さんから、「この銘柄どうですか」というコメントをいただくことがしばしばあります。

ご承知のとおり、ほとんどの銘柄は見送りですが、見送る理由を言語化するって、結構、あたし自身の勉強になっています。


競争相手がおらず、高ROEを実現しているシンメンテホールディングスを、なぜ買わないのか?

→PER19、成長性年7-10%では、インデックス投資に勝てない可能性がある。
→成長のときに投下資本が必要ないので、高ROEを論じる意味がない。


省エネ適合基準の拡大により再来年から売上増が見込める高ROEのERIホールディングスを、なぜ買わないのか?

→直近一年がムダになる可能性がある。
→業務拡大に応じる人員を雇用できるか不明。
→受注が飯田GHDなどからであるが、地方の戸建ては苦戦しつつある。
→成長のときに投下資本が必要ないので、高ROEを論じる意味がない。

(検討を記事にしていませんが)工具のアマゾン、モノタロウは、なぜ買わないのか?

→2QのQ&Aで、今後、20%成長は難しいと述べているが、20%以上の成長を前提にしないと正当化できない値段と算定した。
→物流倉庫を建てるときに一気にキャッシュがでていくので、FCFを算定しづらく、よって価格算定も難しい。


ロードスターキャピタルをもっと買い増ししないのか?

→地震保険があるとはいえ、首都直下型地震が起これば、資産価値30%減は免れまい、よってポートフォリオにおいて一定以上、ポジションをとるべきではない。
→含み益を推定して足した実質資産価格からすると、現在、株価は割安ではない。
→CFOが、「マザーズにいる間は成長性をみせたい」「保有不動産の賃料で固定費をまかなえるくらいにしたい」と言っており、現在の中計達成後も、+20%30%の成長を継続するかどうか、やや疑わしい。


競争力がない銘柄は、「競争力がないから投資見送り」と言えば済むのですが、一見、競争力も価格も問題がなく、ROEや利益率も高い場合、なぜ見送るのか、ハッキリしなければなりませんね。「理解できない」もいいですが、今後の成長余地が理解できないのか、競争力が理解できないのか、その点もはっきりしたい。


マンガーは、「憎らしいNOマン」とバフェットに言われていたそうですし、バフェットも、「投資家にとって必要なのは、訪れたチャンスにYESではなくNOと言えること」と言っています。

過度に悲観的になってNOを言うのは容易いですが、きちんと具体的な理由を示すよう、今後もがんばっていきたいと思います。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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投資の総論

9件のコメント

  • へたくそマン

    最近、連続で銘柄についてお聞きして申し訳ございませんがお言葉に甘えて、引き続き、よろしくお願いします

    分析して頂きたいのがプラスアルファコンサルティングです。

    この企業は3事業を展開しており、カスタマーリングス事業・見える化エンジン事業は金のなる木で安定的に収益を生みます。
    花形であるタレントパレットは高成長しており、サイレント下方したカオナビと比較しても収益率が異なります。
    3事業全てがSAASで損益分岐点を超えてARRが年々増加しており、高利益率となっております。
    SAASなので生成AIとの互換性が良く、今後提供するサービスにブラッシュアップできる可能性が高いです。

    • suriaちゃん

      ありがとうございます、興味深く拝見しました!

      成長率も利益率も文句ないですね。ただ、競争優位性がよくわかりませんでした。タレントパレットを選んだ理由としては、使いやすいとか分析能力が優れているといったものが見られますが、マネするのが難しいとまでは思えません。社長さんが開発畑なので開発スピードが早いという点は魅力ですが、、、。

      タレントパレットやプラスアルファコンサルティングにしかできない!というほど強固な差別化は見つかりませんでした。

      • へたくそマン

        考察、ありがとうございます!

        ご指摘された通り、オンリーワンではなくレッドオーシャンで揉まれながら拡大していくサービスです。独自性で代用が効かないサービスなら非常に魅力的なのなんですよね。
        個人的な見解を述べる同業他社と比較した際、大企業の導入率が高く、マネタイズできている点が強みで同業他社は大企業の開拓に苦戦おり、中小企業がメインな為、アカウントが増えにくく導入費用も低いです。大企業を開拓しているということはシステム統合するために関連会社にも導入される可能性が非常に高く、営業コストやリードタイムの調整に繋がると考えております。
        レッドオーシャンですが同業他社との社員一人当たりの生産性・売上高利益は群を抜いており、効率的な経営をされております。
        逆にネックなのはレッドオーシャンなので常に競争にされている点が浮かびます。

        会社の説明会に以下の指摘がありますしたので共有致します。

        司会者:続いて、QA欄でいただいたご質問です。「タレントパレット事業について、競合の『カオナビ』や『HRBrain』『SmartHR』などに対する『タレントパレット』の優位性を教えてください」とのことです。

        三室:「タレントパレット」は、今おっしゃられたような企業さまと、もともと作りのコンセプトが違います。他のツールは評価を電子化する、人事の人材データベースで検索しやすくするところからスタートしているものが多いかと思います。例えば、時系列でデータを蓄積すること前提に構築するというような、ちょっとした部分の作りが異なることで、機能の進化のスピードが変わってきます。

        また、コンサルティング部隊の存在もあります。大規模の会社さまに導入が進み、そこでの機能強化により、さらに中堅企業のほうが利用し、メリットをあげられるといった部分で差別化ができているかと思います。

        顧客基盤の意味では、確かに非常に多くの顧客を持たれている企業は、脅威ではあります。ただ、やはりタレントマネジメントという活用の目的から、まだまだ差は開いているのではないかと思います。

  • スターマン

    suriaさん、こんにちは。
    私もkeeperとマークラインズ保有しており、suriaさんが保有してくれてうれしいです。

    この2銘柄は月次開示があり、keeperは本日下落しました。
    株価は高値圏でしたし、1月アノマリーもありますし、数字の見栄えが悪かったのもあります。
    マークラインズも月次の数字は前月比鈍化でした。
    suriaさんは保有株の月次って気にされますか?

    また、suriaさんの主力のプレミアグループとロードスターキャピタルも気になってます。

    しかしながら、両方とも割安とまでは言えず、下がるのを待ってます。

    一方、一軍のコシダカとトレファクはやや割安。
    決算が近いですが、おそらくいい数字ではないかと予想しており、決算後に置いていかれるのも嫌で迷ってます。

    株の優劣ではプレミアとロードスターでしょうが、今の株価ならコシダカとトレファクの方が魅力的に思えます。

    もしsuriaさんがノンホルダーなら、どれをチョイスされますか?

    • suriaちゃん

      こんにちはー、もちろん月次は逐一確認してますよ!それであたふた売買することはないですけどね。

      おっしゃるとおり、ロードスターもプレミアも、「積極的に安い」と言える値段ではなくなってきたかな、と。

      トレファクは、インバウンドで一時的に利益率が上がっているおそれがあり、三、四年といった時間軸で持つのは怖いです。

      コシダカは具体的な不安要素はあたしは持ち合わせていないですが、海外にがっつり展開できているマークラインズと比較すると、買う理由がないかなーと。

      ということで、マークラインズに一票です!

  • スターマン

    suriaさん、返信ありがとうございます。
    なるほど、参考になります。

    以前アップガレージはいい銘柄だが、株価を上げる馬力やパワー不足との見解を拝見しましたが、コシダカは私も馬力やパワーがない気がしてます。

    マークラインズについては、現在2950円。
    永久成長率の設定で2%は保守的。
    2%評価なら今の株価はあまり安くないですが、4%評価ならかなり安い水準です。

    suriaさんとしては3%ぐらいの見積もりで打診買いされたんでしょうか?

    • suriaちゃん

      いえ、現在の成長率及びマーケットが世界中であることを考えると、永久成長率4か5%でいいかな、と思ってます、、、が、余力がないのでもう買えません笑

      • スターマン

        なるほど。
        4%設定なら、現在の株価でもかなり割安ですね。
        正直、メインをプレミアグループからマークラインズに入れ替えを検討するレベルなのでは?

        分散には好みがあると思いますが、プレミアグループの一部を売ってマークラインズに入れ替えたりはしないんですか?

        個人的には長期での伸び代はマークラインズが1番、1番怪しいのがロードスターだと思います。
        keeperのコーティングも車が売れなくなる日本でコーティング需要が伸びていくのは違和感があります。

        suriaさんの中ではマークラインズの序列はサブ銘柄でロードスターやkeeperと同等ですか?

        • suriaちゃん

          すすすするどい、、、いえ、現時点での序列は、ロードスターよりマークラインズを上にしており、価格の点でkeeperよりマークラインズを上に置いています。

          ただ、マークラインズって、どれくらいの速度で成長していくのか、具体的な手がかりが乏しくて、ちょっと怖いんですよね。

          プレミアグループなら中計がありますし、keeperもお店を年20、30店増やしていく、出店余地は400〜500、、、などと成長スピードが明確です。

          マークラインズは、社長さんのワンマン企業だと思っており、成長速度を追わない方針に転換するみたいな成長速度の変化があったらイヤだなあ、、と思ってます。

          ともかく、プレミアグループの株価が復活してきたので、一部を利確してマークラインズには振り分けたいと思ってマス!

          おっしゃるとおり、10年20年レベルでみるとそれこそロードスターはイマイチなので、ロードスターを削ることも考えています!

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