中古パーツ買い取り、販売で、圧倒的業界一位。

　一見、売上の伸びは迫力に欠けますが、利益の伸びがすごいですね。決算説明資料に離職率の開示もあり、ＩＲ動画も多く、ステキな会社だと思いました。

　増益のドライバーと思われる新規フランチャイズ店の増加ですが、売上が好調なため、既存オーナーの拡大要求に応える形でまかなえており、公開しての募集はしていないくらいですから、新店舗の発掘は問題なさそうです。もともと中古車販売店や車検工場をやっている方などが副業として始める。ロイヤルティは売上のわずか３％であり、オーナーともウィンウィン。良いですね。

　アップガレージは現在１５０店、これを３００店まで増やすらしいですから、あと１０年弱は大丈夫でしょう。

　なお、中古関係の商売はなんでもそうですが、買い取りが順調でなければ話にならず、買い取りさえできれば適切な利幅を乗せて店舗あるいはＥＣで売れるビジネスです。アップガレージでも在庫の確保がボトルネックなので、出店スピードを上げることはできないようですね。


　お値段はどうでしょうか。現在、ＰＥＲ１０、７４０円です。

　営業ＣＦは６億円というところ。成長なし、店舗の維持に２億円必要と仮定すると、ＦＣＦは４億円。これを８％で割り戻して、負債を考慮して保有現金の一部である５億円を足すと、５５億円。１株だと７０５円。

成長性を考えると、やや安め、と言っていいかな、と思います。ただ、ちょっと前まで５５０円くらいだったので、何かのきっかけで７００円を切るような動きをするのはありえるかなー、という感じ。

　じゃあ、買うかと言われると・・・・心配なのが、多方面に展開していること、かな。ＴｏＢの卸販売やプラットフォームの提供、自転車、海外展開、人材紹介など、中古パーツ販売以外にも、いろいろやっているんですね・・・・ちょっと、分析しきれないな。

　クルマのパーツの方はほぼ競合がいないようですが、ハードオフのやっているガレージオフ、オートバックスのセコハン市場、イエローハットも中古パーツの販売店のほそぼそとやっているようです。ただ、中古パーツの販売をやると新品販売とバッティングするでしょうし、安定してメーカーから仕入れて売るのと、消費者から買い取って在庫をそろえるのは全然違う商売です。取り付けの問題もありますから、クルマのパーツ事業の方は盤石と思いました。

　自転車や人材紹介の方は・・・・もっと競合がいそうですし、優位性もよく分かりません。海外の状況もまったく分かりませんが、日本車は世界に広まっていますから、日本車パーツの売買の需要は海外でもそれなりにあるはず・・・・ただし、販売ではなく買い取りのほうがうまくいかないと、在庫がなくなってしまう・・・・うーん、分かりませんね。

　結局、多角化していると、資料を読んだり動画をみてもとれる情報が少なくて、どういう優位性があって、成長する確度や度合いがどれくらいなのか、判断しづらいです。


　競合がほぼいなくて、粛々と店舗を拡大していける点は魅力的ですから、「中古車パーツ販売事業のみで成長なしと仮定しても安い値段」になったら、一定のロットを入れてもいいな、と思いました。地味ながら良い銘柄でした。ありがとうございました！

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い１日をお過ごしくださいね。