ベンチャーキャピタルの必勝法
ベンチャー・キャピタリスト──世界を動かす最強の「キングメーカー」たち 単行本 – 2022/3/15
後藤直義 (著), フィル・ウィックハム (著), Sozo Ventures (監修)
うあ!500頁もある・・・読みたくないにゃ・・・
ベンチャーつまり上場前の会社、それに投資する手法ね。上場株式投資に通じる、貴重なノウハウが書いてあるかもよ?ろくに事業を始めてない状態の会社を、どうやって選別して投資先を決めているのか・・・・
動物的勘、ですかね。
まあ、それに近いことを言っているひともいるけどね。あたし、人間だしなー。
で、アメリカのイケイケのベンチャー投資家は、勘以外でどうやって投資先を選んでるの?
この本は、30名くらいのベンチャー投資家のインタビュー集ですが、その中の、「QED」というファンドの創業者、フランクさんのインタビューが秀逸だったわ。投資家は、2つの視点を保つ必要があるんだって。
成長性と割安度、とか?
成長性のほうは、当たり。「一つ目は、何をしたら失敗するのかを理解すること。二つ目は、それと同時に、もし成功したら、どのくらい大きなビジネスを生み出せるかを見通すこと」【同書153頁】
どうしたら失敗するか・・・・後ろ向きな話だにゃー。
あたしも、投資する前、有報の「事業等のリスク」は必ず読むようにしている。投資って、結局、成功と失敗の原因と確率を見積もることだから。失敗の方にも注目する。
だから、「あたしが正しいんだ」と。
・・・・
すみませんでした、話を続けてください。
もうひとつ、参考になったのは・・・「成功するスタートアップのパターンを問われたならば、こう答えましょう。一つの要素に対して、あなたが正しくものごとを進めて、成功できる可能性が80%だとしましょう。この要素が2つ、3つと重なってゆくと、どんどん成功率が落ちてゆきます」【同書154頁】
ほほう・・・分岐点のようなものが、少なければいいってことね。
あたしも、変数が少ないビジネスを狙っているわ。売上の伸び以外に、為替だの原油価格だのに利益が左右されるのは、うんざりだから。シンプルに、お店や営業拠点が増えてEPSが増えるビジネスがいい。
だから、「あたしが・・・」おっと、動物的勘により、発言は中断します。
危険を察知する能力・・・・あんた、ベンチャー投資に向いているかも。
「こういう出会いがあって、これこれのスタートアップに投資した」みたいな話が、30名分、続くので、ちょっと読みにくい本です・・・・。「こういう基準で投資を選別している」みたいな抽象論が少なく、投資へのヒントはつかみづらい気がしました。
ただ、ピーターティール、孫正義などビックネームのインタビューが普通に混じっているので、かなり豪華な本です。前例のない規模のでかいファンドをつくって、次々とスタートアップに投資していく・・・というソフトバンクのスゴさがよく分かりました・・・・ま、ソフトバンクに投資はしないけど、多分・・・。
また、ベンチャー投資家を眺めていると、意外と、「フィンテック専門」「ヘルスケア専門」など、領域を決め打ちしている投資家も多いことも分かりました。その道の専門家レベルの知識をもって業界を深く理解し、目の前の若者が、何百億円を稼ぐビジネスへ成長させられるかどうか判断する・・・・基本は、どこも一緒ですね。
業界の勉強をガッツリして、スケールするビジネス、変数の少ないビジネスを選ぶ・・・・今後も、気をつけてやっていきたいと思います。フランクさん、ピーターティールさん、孫正義さんのインタビューを読むだけで、買う価値がありました。
今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。