プレミアグループはいくらが適正か?②


プレミアグループの株価、ずーーーっと下がってますね。

良い決算にもかかわらず、あまりにも一貫して下がっていることからすると、まず間違いなく機関が持ち高を減らしているんでしょう。「株式新聞」にログインして、プレミアグループの「組入ファンド」をみればわかりますが、プレミアグループをたくさんもっているのは、海外の小型株ファンドです。

「日本の金利上昇をみすえて成長株の持ち高を減らしている」・・・というところでしょうか。「プレミアグループを特に減らしている」という意識はないかもしれませんね。


まあ、いいや。ともかく、あたしたちとしては、「いくらなら買ってよいか」、ざっくりでも計算しておかねばなりません。

前回は、「成長なし、自社割賦なしと仮定しても1500-1600円」とCFから計算してみました。

プレミアグループはいくらで買うべきか?


今回は、資産からアプローチしてみましょう。

プレミアグループのBSの右側は、最新の3Q時点で以下のようになっています。

【負債】
金融保証契約346億円
借入金245億円
未払金64億円
その他の負債90億円

【純資産】
128億円

で、普通は、

「純資産が128億円で時価総額が600億。PBR5倍、純資産の5倍の株価だ!!安くはない!」ということで終わりです。


ところが、この「金融保証契約」って、銀行からもらったローンの保証料なんですよ。未来の分の保証料なので、まだ「負債」扱い、「自分のものでない」という扱いですが、時間が過ぎたら会計上も自分のふところに入ります。もう、これ、自分の資産に限りなく近いですよね。だって、「預かっているけど返さなくていいし、使っちゃっていいし、時間がたったらあたしのもの」なんだから。

また、「その他の負債」のうち半分以上、おそらく60億円くらいは、同じく故障保証の、未来の分の保証料です。これもやっぱり、会計上、負債扱いになっているだけで、自分のものに等しい。

ってことで、純資産に、その同等物である金融保証契約とその他の負債の一部を含めて計算すると、実質的な純資産は534億円となります。1株あたりにすると、1335円の資産をもっている。ですから、もっている資産からみると、その値段が下値余地と言っていいでしょう。

さらに言えば、1年後には預かっている保証料は+15%くらいになるだろうし、純資産は+30%くらいになります、ROEが30%だからね。これで計算すると、「予想」BPSは1562円となります。このままの株価で推移すると、来年にはPBR1倍割れってことです。


この、「純資産に近いものを含めて計算する」というのは、あたし独自のアイデアではなくて、保険会社の健全性判断でも「実質純資産額」として計算される方法です。だって、預かっている保険料って、実質、会社のものじゃん。

※保険会社の場合は、預かった保険金から支払う保険金をマイナスしなければなりませんが、プレミアグループの場合、預かった保証料から支払う求償金は保険から(最終的には)出るので、保証を実行する分をマイナスする必要はないでしょう。


ということで、実質純資産を計算すると、現時点で1335円、来期には1562円となりますから、そこが底値の目安になるかな、というお話でした。


で、気をつけなければならないのが、株価って、いつでも行き過ぎるってこと。大株主のファンドは、小型株全体の割合を減らしたいだけであって、プレミアグループの適正価格を弾いてそこに達するまで売る、というスタンスではないでしょう。

また、1500円のものを1500円で買っても安全域はありません。やっぱり、1400円代にはなってほしいし、この流れだとなりそうですね。


だらだらと1400円代を試し、日銀の新総裁がどうこうで金利があーなって(笑)、5月の新中計発表で一気に2年後のEPSをおりこみ、そこで信用買いの方が一息ついて利確がおき、で、半導体不足解消による中古車流通回復でじりじり上がっていく・・・・今年はそんな展開でしょうかね。

1400円を試す展開になったら、また、分散して買おうと思います。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ

③バリュエーション、そして売り家や車のローン

2件のコメント

  • kin

    suriaちゃん、こんばんは
    いつも楽しく読ませてもらっています。

    プレミアグループの適正株価、PBRから計算する方法で行くと、(下限)時価総額が年間で約100億増加、成長しない前提で時価総額1000億に約4年で到達する計算となりますので、1upさんの動画での最後の10年後、5年後、3年後に到達するのか、というコメントにしっくりきますね。
    利率15%超えの債券と考えれば比類なき優良債券ということなり、なんだか安心しました。いつもありがとうございますリスクプレミアムで考えてもまだまだ上値余地もありそうですね!

    • suriaちゃん

      ありがとうございます、なるほど、そう考えると時価総額1000億円に4年で行きそうですね!末永く、ホールドしていたいものです・・・事情変更がない限り。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA