バフェットの銘柄選択術

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術
メアリー・バフェット (著), デビッド・クラーク (著), 井手 正介 (翻訳)

バフェット本は世にたくさんありますが、彼の投資の本質をついていると思う、数少ない本です。

バフェットの投資の真髄は何か?

バフェットは消費者独占型企業は安定的に利益をあげることができ、そのような企業の株に投資することは、債券に投資するのと同じようなものだと考える。この場合、企業のROEは債券の額面に対する利率に相当し、EPSは債券の利子にあたる。

同書121頁


 「債券投資として、株をみる」・・・・たとえば、1株あたり100円の利益を安定的に出せる企業の株を買うのは、債券投資のようなもの・・・3%で割り戻すとすると、3000円です。株価3000円であれば、米国債を同じだけ買うのと変わりません。

これが株価1500円であれば、米国債を買うより、2倍も有利になります。国債なんて、買う余地はありませんね。


「いやいや、株式なんだから、国債と同じく毎年100円の利益が出るとは限らないでしょう?」


違いますね、「国債と同じレベルの確実性で、毎年100円の利益が出る」ような、安定的な企業のみを投資対象にするんです。「100円の利益が出るかどうかはわからない」株は、そもそも買わないんです。


「企業の将来を予測して当てよう」ってスタンスではなくて、「もう、これ、国債レベルで確実に利益をあげるよね」って企業に限定して、株価がさがって利回りが10%とか12%とかになったら、買うんです。あとは、時間が経過して、利息がつくだけです。


ポイントは、「もう、これ、国債レベルで確実に利益をあげるよね」って企業に限定して投資を検討することです。債券投資なんだから。バクチを打つのではなく、決まった利回りで満足するんです。

株式投資で20%の利回りがあげられたとして、債券投資で5%の利回りがあげられたとして、前者が後者よりすぐれているでしょうか?違いますね、単にとったリスクが違うだけです。


この「債券みたいな株を買う」というフレームワークがすてきなのは、買った瞬間に利益が確定することです。利回り12%の債券を買ったら、あとは寝てるだけで利息がつくでしょう?で、債券並みに利益が確実な銘柄しか、買っていないのでしょう?じゃあ、12%の債券が買えたら、そこでゴールじゃないですか。その後の株価の動向は関係ありません。

事後的に金利が上昇したら、その分、債券価格(株価)は下がりますが、利回り12%が変わるわけじゃないから、いいじゃないですか。配当は2-3%しかないかもしれませんが、残りは内部留保されて、中長期的には必ず株価として現れてきます。


ということで、今日もあたしは、「利益が出るのが国債並みに確実」な銘柄を探しています・・・景気や為替、原油価格に左右されず、長持ちする競争優位性があり、地味でかわり映えのないシンプルな業種の会社・・・・で、PERが高すぎないもの・・・

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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本の書評

2件のコメント

  • 匿名

    こんばんは!
    いつも楽しく読ませて貰ってます♪

    バフェットの銘柄選択術、名著ですよね。(なぜか知名度低い気がしますが…)

    SuriaちゃんはプレミアG等の成長期のストックビジネス銘柄を見つけた時は、買値(割引率や期待する益利回り)はどのように決定していますか?

    買値こそがリターン源泉の全て!…と本書の中では口酸っぱく書かれていますが、未だに自分の中で明確な基準が見つけられません。

    ピーターリンチの基準なら成長率の半分のPERと分かりやすいけど、それって成長率20%の銘柄でPER10%と現実的ではないですし…

    ほんのヒントだけでもご教授頂けたら幸いです。よろしくお願いします。

    • suriaちゃん

      ありがとうございます!!

      明確な基準は・・・・ないと思います(笑)

      ただ、歴史的には日本株のリスクプレミアムは6%くらいのはずで、これに長期国債の利回り1-2%をプラスして、8%くらいかな、と思っています。現在は、8-9%で割り戻すとしっくりする株価がでることが多い気がしています。

      S&P500でも7-8%くらいの利回りがでると思うので、個別株投資はそれよりキケンであることを考えても、やはり8-9%くらいかな、と思いますね。

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