ドイツではそんなに働かないよ!

 

ドイツではそんなに働かない (角川新書) 新書 – 2021/5/10
隅田 貫  (著)

 

 

 

「私(suria注 筆者)がメッツラー社に入社して程なく、当主である11代目のフリードリッヒ・フォン・メッツラー氏に初めて挨拶に行きました。

ドイツで330年以上(当時)も続くプライベートバンクの創業者一族です。きっと広い部屋に高級そうな絨毯が敷き詰められ、天井からはシャンデリアが下がり、大きなソファセットなどのインテリアも高価なものばかりだろう・・・・・そう思っていた私は、部屋に一歩踏み入れた途端、拍子抜けしました。

 

 

普通の会社の小さな会議室並みの広さの部屋で、秘書の机もそこにありました。絨毯は敷かれておらず、デスクや本棚のほかは客を迎えるソファセットがあるだけ。どれもシンプルで使い込んであり、とても老舗企業のトップが使っているとは思えない簡素な執務室だったのです。余計なところにはお金を使わないドイツ人らしいな、と感じました。

 

 

入社した挨拶ををすると、彼は次のように言いました。

 

 

「われわれにとって大切なことは、あくまで独立性です。どこからも買収されないし、どこも買収しない。会社が誰のものかという議論は気にしなくてよい。安心して、顧客のために良いと思うことがあれば、すぐに行動してください」」

 

【以上、同書47頁より引用させていただきます。】

 

 

 

 

 

ドイツ人は、

 

〇夏に2-4週間のバカンスをとり、有給休暇100%消化、残業や休日労働もあまりしない

〇ダラダラ残業や会議はなく、自分の仕事が終わればさっさと帰る

〇服や食は簡素で、お家は掃除でピカピカ、お金はバカンスに使う

 

みたいな、まあ、よくあるたぐいの「外国スゴイ!」本です。平日夜22時ー朝7時まで騒音(掃除機やシャワーレベル!)を出してはいけないという法律があるとか、残業時間を有給に転換できる仕組みがあるとか、ドイツ固有の面白い話もありましたが。一番印象的だったのは、上記社長さんのお言葉です。

 

 

 

 

「われわれにとって大切なことは、あくまで独立性です。」

 

 

 

家を掃除し、余計なものにはお金をかけず、きっちり仕事して、帰る。家族とゆっくりするために。意に沿わない労働を強要されないために。大事なのは、誰かに不愉快な指示をされない、独立性・・・・・。2度の世界大戦で敗北した歴史もある故でしょうか。

 

 

 

取引先がバカンス中は仕事が進まないとか、移民による治安の悪化とか、ドイツにはドイツの負の側面があると思いますが、質素な役員室と、独立性を維持したいという姿勢。とってもステキに思えました。どこに重点的に投資すべきか、わかっている・・・・・すばらしい資本配分、ね(笑)

 

 

 

 

「われわれにとって大切なことは、あくまで独立性です。」

 

 

 

読んでくれて、ありがとー!
今日も、誰かに指図されない、自由で良い一日をお過ごしくださいね。

 


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本の書評

2件のコメント

  • るー

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    この独立にはお客からの独立もあるかと。
    お客さんの都合よりも会社の都合、社員の都合優先。
    わが社は基本それです。社訓は客の8割はこっちから切れ、です。
    社員や細く長くする商売としては非常にいいですが投資先としてはどうかとw

  • suriaちゃん

    SECRET: 0
    PASS:
    >るーさん
    なるほどー。社訓が、「客の8割はこっちから切れ」はスゴすぎです・・・・・・!(^^)!
    ステキな会社ですね・・・・・勤め先としては(笑)

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