オートモビリティサービスって、なに?
プレミアグループ(7199)の「オートモビリティサービス」について書いておきたいと思います。プレミアグループって、基本はオートローンの会社です。
クルマの購入代金を、7%の利息で貸す。ほんとうは保証なんだけど、審査も債権回収もプレミアがやるので、実態はプレミアが貸しているのと変わりません。
あとは、故障保証もやっています。保証料をもらう代わりに、クルマが故障したら無償で修理します。
ここまではスッとわかります。・・・で、プレミアは、さらに、「オートモビリティサービス」もやっています・・・・ここが、ひっかかるのよね。「オートモビリティサービス」って・・・・ナニ?タイトルから、内容がわからん。
今日は、そこをちょっとだけ、整理してみます。
①まず、中古車販売店や整備工場向けに、「ガッチ」というソフトを売っている。請求書や名義変更の書類を印刷したり、在庫車両をオークションに出品したり・・・といった業務全般をサポートするソフト。
使用料金は、ウェブ上では、月9800~と書いてあります。「2500アカウント突破」というIRもありましたので・・・・4-5億円(年15万×3000アカウント)くらいの売上かしら?
競合のブロードリーフをみてみると、月額平均23000円、38000ユーザーだそうです。プレミアは、安い廉価版を供給する意図でしょうか。
②次に、ローンを延滞したひとから引き揚げたクルマ(デポカー)を、中古車販売店に売っている。(※会計上は、おそらく、「売ったときに貸金回収」ではなく、「引き上げ時点で会社評価額で貸金回収したと処理」し、その後に売っている。だから、貸金の回収ではなく、売上があがるカタチになっている)
こちらは債権回収行為の一部といってよいので、ファイナンス事業の一部に限りなく近いと思います。
上記資料から計算すると、2Qで、ソフトウェアの売上が2.7億円、年5億円。デポカーの販売が7億円、年14億円というところでしょう・・・これらは、今後、どうなるのでしょうか?
まず、ソフトウェアの方ですが、中古車販売店は2.6万店、整備工場は9万箇所ありますので、アカウント数2500であれば、まだまだ伸びしろは十分でしょう。ただ、おそらく、ですが、会社としては、「これで儲けよう」という感じではないのかな、と思います。月額1万円ですし。ソフトを使ってもらい、デポカーも購入してもらい、オートローンも使ってもらう・・・という囲い込みに使う気なんじゃないかな。というのも、カープレミアクラブに入れば、タダになりますから。
デポカーの方は・・・・債権が4000億円あって、その0.9%が延滞となるわけなので、36億円。うち、クルマの引き揚げに至るのが半分弱となると、まあ、これくらいの売上なんでしょう。今後は、ローン債権が増えれば、デポカーの販売の方も勝手に増えるでしょうね。引き揚げ車両が高く売れればそれは素晴らしいですが、基本はファイナンス事業と連動してデポカーが増えていくだけなので、これだけを単体としてみる必要性はないような気がします。
ということで、オートモビリティサービス事業は、セグメントとしては分けられていますが、あまり独立してみる必要はないかな・・・と思いました。あくまで、「ローン事業の補助的位置づけ」という感じがします。
プレミアグループの決算をみるときは、あくまで、ローンの新規取扱高の推移、あとはそれに大きく影響するカープレミアクラブの会員数に集中してみていきたいです。
今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。