やっていることはフェルミ推定


 新年ですので、基本に立ち返ってみましょう。株式投資って、なんでしょうか。「いや、オイラは永久保有だから、株価は関係ない」という格好いい人を除き、将来の株価を推定する作業です。

株価とは?

 株価とは何でしょうか。予想EPSにPERをかけたものですね。PERは、過去PERや同業他社のPER、成長性なんかを勘案して推定することになり、それ以上でも以下でもありません。ですから、あとは、残りの変数、EPSを推定することになります。

EPSとは?

 EPSとは何でしょうか。売上×利益率÷株数ですね。よって、株価を推定する≒EPSを推定する≒将来の売上と利益率を推定する、ということになります。

何かを仕入れる商売で原価の変動が大きいと、変数がひとつ、増えますから、推定が難しくなりますが、そういう場合を除き、利益率は、そんなには変わりません。人件費が高止まりしないかといった、利益率が悪化しないかもチェックはしますけれど、メインは、売上を推定することになります。
 

売上とは?

 売上とは、何でしょうか。たとえばコールセンターのDMMIXであれば、


①一社当たりの売上×取引先企業数、と分解できます。
②社員一人当たりの売上×社員数、とも言えます。

②のように分解できれば、「一人当たりの売上」はそんなに変わりませんので、残りの変数「今後の社員数」を推定すればいい、となります。そして、DMMIXは、今まで20%ずつ、社員数を増やしていますし、離職率も低いので、今後も20%増で大丈夫だろう、と一応の推定ができます。

 ただし、②は、「社員が増えれば、比例して売上があがるだろう」=お仕事がたくさんある、ことが前提になります。そういう前提でない場合は、①の分解をすることになりましょう。

 戸建てを売っているオープンハウスであれば、①営業マン数×営業マン一人当たりの売上、とも言えるし、②客数×単価、とか、③店舗数×一店舗あたりの平均的な売上、という分解も可能かもしれません。結局、やっていることは、「①適切な因数分解をして、②問題になりそうな数値を特定し、③それを推定すること」です。フェルミ推定。

株価= 「社員一人当たりの売上×将来の社員数×利益率÷株数×あるべきPER」

推定しやすい場合、しにくい場合

そうすると、以下のことに気づきます。

①問題になりそうな数値の、推定がしやすい銘柄がよい
②問題になりそうな数値つまり変数が、少ない方がよい


変数として、「将来のLNG価格」とか「為替」が入っていると、格段に推定が難しくなります。推定自体が難しいというのが1つ。変数が増えるというのが2つ。事業セグメントが複数ある場合も、変数が2つとなりますから、「難しい」銘柄だと思います。

そういうのではなくて、「一店舗あたりの売上×店舗数」とか、「営業マン一人当たりの売上×営業マン数」みたいな、ほぼ一つの変数に、EPSひいては株価がキレイに比例する銘柄。これを、狙うべきでしょう。おっと、利益率の低下にも、ちょっとは注意してくださいね。あとは、将来の株数、つまり、「増資しないか」という推定も必要ですけどね。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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