住宅営業マンぺこぺこ日記

住宅営業マンぺこぺこ日記――「今月2件5000万! 」死にもの狂いでノルマこなします
屋敷康蔵 (著)

を読みました。「タマゴホーム」というローコスト系住宅会社の営業マンの、せきららな話です。

固定給の手取りは18万円。そして、契約金額の1.2%が歩合給、つまり3000万円の家が売れると36万円のボーナス。つまりは、歩合がないと満足な生活ができない給与体系。だから、住宅展示場にくる客には競って接客し、お金がなさそうなお客には見向きもしない。営業目標の未達を支店長に詰められ、つぎつぎと辞めていく同僚。過労死する同僚・・・・。ノルマを達成できない社員は、「接客停止」となり、過酷な飛び込み営業にまわされる・・・。

会社支給の携帯をもたされ、そこに客からの電話がかかってきて、土日も休日もアフターファイブもない。残業した翌朝、事実上強制参加のソフトボール大会。


・・・・いやー、ブラックね・・・・こういう世界に入らずに人生を送れたことを、神に感謝しました・・・。


で、投資に役立った点。

連絡がとれなくなった見込み客を「契約予定客リスト」から外す、という場面があります。

「契約予定客リスト 全営業マンの追客中のお客の進捗が書かれているリスト。このリストによって店長は営業所の一元管理ができるようになっている。また、このリストをもとに本社や本部長に報告をしている
【同書143頁より引用】

こういうモノがあるのか・・・こういうのを積み重ねて、IRは次期の業績予想を作っているんだろうな、と思いました。「契約はまだしていないけど、ほぼほぼ契約見込みのお客さんが何名いるか」わかっていれば、あとは掛け算すれば、2Q先の売上予想くらいはかなりの確度で作れそうですね。

ってことで、住宅会社の業績予想は、予想というより「ほぼ確定した未来」だな、と思いました。契約して、3-4ヶ月で家をたてて、引き渡して、ようやく会計上の売上がたつわけですから、「契約見込み」の客が把握できていれば、半年先の業績(=会計上の売上)は社内的にはほぼ予想できそうですね。


さらに言えば、ほかの業種の会社でも、「契約見込みリスト」ってあるのかもしれませんね。もし、それに基づいて業績予想が作成されている会社なら、その業績予想というのは、単なる過去からの予想ではなく、実現しつつある事実にもとづく予想なので、かなり確度が高いということになります。


住宅会社の社員が何をやっているか、具体的にわかる本なので、住宅会社に投資しているひとには必読だと思います。「業界を理解できる」というだけですが、とてもおもしろかったです!値引きの内幕なども書かれているので、これから住宅を買う人も、ぜったいに読んだほうがいいですね。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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一戸建て住宅本の書評

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