ビックエコーの第一興商


コシダカを見たついでに、ライバルの第一興商をみてみましょう。ふだんは第一興商そのものを分析するのですが、コシダカとの違いにフォーカスしてみます。

第一興商のROEは10%、ROA5%であり、コシダカに2-3倍近く、差を空けられています。ですから、買うならコシダカですが・・・・どこで差がついているのでしょうか。

第一興商の売上は半分が「カラオケ機器の販売」であり、カラオケ店舗の運営ではありませんので、全体の決算数値を用いることができません。セグメント情報をみてみましょう。

最新の通期決算資料11頁

あらあら、お店の方は赤字なんですね。どうしてかしら?

最新の有報116頁


第一興商は

原価63.6%。
そして売上原価ではなく売上に対する比率だと食材原価9.5%、労務費23%です。

コシダカは、

原価率75%。
売上に対する比率だと商品原価7.7%、労務費24%となっています。

「店舗のスタッフ数に差はなく、コシダカはやや原価の低い食べものを提供している」といえなくもないですが・・・・第一興商の方はカラオケのみならず「飲食店」も含んでいるので、何ともいえませんね。とりあえず、粗利の段階では第一興商に軍配があがっています。

そして・・・売上に対する販管費の比率は、第一興商が36.4%、コシダカはなんと10%!です。どの項目を原価に配賦し、販管費に配賦する、というのが違うだけ、という可能性もありますが、店舗そのものの運営効率というより、バックヤードの効率がまったく違う・・・・のでしょうか。


販管費のどの項目に差が出ているか、までは、情報がないので特定できませんが、差がありすぎるので、人件費でしょうかね。


第一興商のセグメントの情報開示がイマイチ(飲食店と混ざってるし・・)なので、なんだか、パッとしない分析になっちゃいましたが・・・とりあえず、販管費率が圧倒的に違い、よって営業利益率に大きな差がでてきていることは事実です。

差がありすぎるので、「第一興商が販管費をリストラして低価格路線で迫る」ことはなさそうですね。また、第一興商はカラオケ機器で稼げばよくて、店舗運営を黒字にする必要は必ずしもないから、「どこで稼ぐか」という戦略の違いがあるかもしれません。わざわざ改革して、(カラオケ機器事業では客になりうる)まねきねこを潰す動機もささそうですね。

投資家目線でいうと、不採算(?)のカラオケ店事業が混ざり資本効率が落ちる第一興商よりも、コシダカを選ぶことにやはりなりそうです。

※ちなみに、カラオケ店40店を運営している上場会社、鉄人化計画もみてみたのですが、決算説明資料がなく、内訳の分析不能でした・・・。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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