お金を貸すと、どれくらい踏み倒されるか?
りゅうじさんからコメントいただきました!!
「Jリースについてご意見お願いします。
高成長+低PERであるため、気になっています。
(あたしも気になってます!!(笑))
ただ、粉飾の過去と、(同業他社に比べて)代位弁済立替金の割合が多い+貸倒引当金も過小という点で懐疑的になっています。suriaさんの視点からはどのように映っていますか?」
ごめんなさい、そもそもジェイリースの強みがよくわかってないので、そこまで検討していませんでした。せっかく頂いた機会なので、確認してみましょう。
まず、ジェイリース。
代位弁済・・・つまり「賃料の延滞がおきて、ジェイリースが借り主に代わって支払う」割合は5.8%。ただし、かわりに払ったら、その98%は借り主から回収している。残りの2%は持ち出し、ジェイリースの自腹、負担となります。
「100件保証したら、滞納するヤツが6件ある」・・・・まあ、件数で算定しているのか、金額で算定しているのかはよくわかりませんけどね。普通は金額でしょうけど。
売上に対する比率はどうでしょうか。
保証料の年間の売上は110億円です。求償権は54億円残っています。売上のほうは「年間」の売上で、債権の方は今までの何年間かの「累計」なので、「保証した50%が代位弁済にまわる!」というわけではありません。
ともかく、「年間の売上の半分レベルの求償権を持っている」ということになります。
同じ家賃保証のcasaをみてみましょう。
ジェイリースと違って住居の家賃保証ですが、「保証残高に占める」求償権割合が8-9%。「売上に占める」求償権の割合をみてみると、売上が103億円、求償権は40億円で、40%です。
ジェイリースよりは、売上に対する求償権の割合は少ないですね。
「保証残高に対する」求償権の割合は、「保証残高」の算定スパンが違う可能性がある(事業用は2年間分でしょうか。住宅用家賃だと3年とかもあるのかな)ので、算出しないでおきます。
続いて、こちらも住居用家賃の保証ですが、あんしん保証。「保証残高に対する」求償権の割合は8-9%と、casaと変わりません。「売上に対する」求償権の割合は、売上が45億円なので、33%。
最後、イントラスト。滞納発生率が7%で、代位弁済してもその98%を回収する。売上に対する求償権の比率は、売上65億円に対して求償権15億円で23%。ただし、前期をみると売上49億円に対して求償権20億円なので40%ですね。
以上、データがそろえられる売上/求償権の比率をまとめると、
ジェイリース 49%(ただし前期54%、その前は68%)
casa 40%(ちなみに前期38%)
あんしん保証 33%(ちなみに前期34%)
イントラスト 23%(ただし前期40%)
となり、平均は40%弱というところでしょうか。ジェイリースは確かに多いですね。
ただし、ジェイリースは、3年前に回収態勢を一新して営業利益率を+10%にした過去があります。つまり、それまで相当ずさんな審査をして、求償権を積み上げてしまっていたわけです。ここ2年で急速に改善し、実際、売上求償権比率もぐいぐい回復しておりますので、2-3年でイントラストやcasa並みになるんじゃないでしょうか。貸倒れ引当金も、長期(固定資産計上)は増えていますが、保証件数が増えているのに短期(流動資産計上)は減っております。
ということで、求償権が多いことに対するあたしの推論は、「ゆるい審査時代の負の遺産があって、悪く見えるに過ぎない、今後改善していくはず」、です。何かとんでもない間違いがあるかもしれないので、あったら、ぜひぜひ教えてください・・・。
で、ジェイリース、ROE50%だし、PER10だし、と魅力的なんですが、やっぱり、強みがわからないんですよね。事業用家賃保証なんてやること一緒だし、よって保証料もどこも横並びなんじゃないかと思うし、不動産屋は保証会社数社に一斉に相見積もりFAXして保証会社決めるようなレッドオーシャンなはずなんですが、そこでぐいぐい成長しているのが何故か、ぜんぜんわかっていません。
ということで、様子見をつづけております・・・ROE50%って、すごいわあ・・・iPhoneでも売ってるのかしら・・・・。
今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。
さっそく記事にしてくださりありがとうございます。
こういった記事も見つかりましたので共有させてください。
https://kabunohonn.com/2021/11/07/%E5%A5%BD%E8%AA%BF%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%EF%BC%887187%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AA%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%87%A6%E7%90%86/
Suriaさんもご指摘の「高すぎる収益性」は、逆に怖いものを感じます。。。
大変参考になりました。ありがとうございました。
リンク先、大変勉強になりました、ありがとうございました!!
売上の伸びがすごいのは否定できないし、さまざまな数値が他社と違うのは、事業用と住居用の違いじゃないかなとも思いましたが・・・・ま、結論として買わないというのに異論はありません(笑)
suriaちゃん、こんにちは
今日も夜な夜な、この2ヶ月間毎日株関連で勉強し、とうとう300時間くらいになろうとしています。といってもデイトレ関連が大半を占めて、ロードスターとプレミアを時々資料見返しているだけですが。笑
余談は置いておいて、suriaちゃんレベルになるためには、何時間勉強したらよいのでしょうか?オススメの決算書の読み方等あれば、なにか一つでも教えていただけと嬉しいです。もしかして、suriaちゃんは簿記試験も合格していたりするのでしょうか?
300時間!!すごいですね!簿記の資格はもっていませんが、3年めくらいの会計士なり税理士レベルの知識と経験はあると自負しますヨ。
時間ですか・・・・投資関連の本は、たぶん、300-500冊くらいは読んでるんじゃないかな・・・・1冊1時間として300-500時間。ただ、興味をもった銘柄は、決算書みて決算説明資料みて動画みてアナレポみて業界の本を読んで・・・と2時間位は深掘りするので、そういう銘柄研究が100銘柄あったとして、さらに200時間。
おすすめの勉強は、数字のウラをきちんと辿っていくことですかねー。利益があがったのなら、なぜ上がったのか。経費が下がったのなら、どの項目が、なぜ、どれくらい下がったのか。今後も下がる見込みがあるのか。いろんな決算書を読んでいくと、意外と異業種間でも共通点があったり、会計の知識が勝手に身についたりします。
会計士や税理士に匹敵、、僕が知る限りそんなに簡単にはなれないので、数百時間どころの話ではないですね笑
読んでいる本の数もすごすぎます。そんな方の投資先と理由まで教えて頂いていて、頭が上がらないです!
数字のウラを辿っていってってやるの凄く大変ですよね。プレミアとかはころころ計算分野を変えてたりしていてすごく骨の折れる作業だと感じましたが、そういったことを常日頃からされているということですもんね。秘訣を教えて頂きありがとうございます。suriaちゃんを見習い、これからも頑張って精進します!