データで論じても間違います【確証バイアスへの対処①】
コロナで,「自粛しすぎ」という意見のひと,「第二波に備えて慎重にいくべき」という意見のひと,両方いると思います。
自粛キライのひとは,低い致死率や中国のお店再開などに目が向き,それを論拠にします。自粛スキのひとは,高齢者への感染の危険や医療崩壊,韓国のクラスター発生に目が向き,それを論拠にします。
議論はつねに言いっぱなし。収拾がつきません。
お互い,既に結論をきめていて,意見を変える気が,実はないから。
根拠となるデータをもちよっても,「いや,死者数が適切にカウントされていない」などとなり,やはり収拾がつきません。何が適切な政策か,ではなく,「自分が」正しいか間違っているか,というのがいつのまにか論点になります。
投資について,この認知的傾向は,特に困ったことになります。
「オープンハウス,最高だ」
という意見を一度形成してしまうと,それに沿うデータしか見えなくなります。
実質は減益の上方修正をみても,「この程度の減益で済んだんだから,やはり良い銘柄だ」と,良い方に解釈します。
どうすれば,賢明な判断をできるのでしょうか?
意見をかえる方法は,ずばり,
「因果の説明をさせること」
です。その意見を支持する理由ではなく、どういう因果で影響が生じるのか,説明する。
「二酸化炭素の排出に対してキャップ・アンド・トレード制度を導入した場合の影響について,最初の段階から最後の段階まで順を追ってできるだけ詳しく説明してください。またそれぞれの段階の因果関係についても説明してください」(中略)「政策の影響を説明してみることで,自らの理解度に対する評価が下がるだけでなく,意見も軟化することがわかった。」
(「知ってるつもり 無知の科学」スティーブン・スローマン &フィリップ・ファーンバック著 土方奈美訳 早川書房 195頁より引用させていただきます。)
自粛を解除すると,どうなるのでしょうか。
自覚のない感染者が街に出ます。感染者は,せきやくしゃみをし,それを触ったひとが感染します。感染者はさらに同様に感染者を増やします。感染者が増えると入院できない患者が増え,治療が不十分となり死者が増えます。なるほど
自粛を継続すると,どうなるのでしょうか。
お店にひとがこないので,特にエンタメ系や飲食店の店主にお金が入りません。店主が飢えると,光熱費の基本料金,リース料金,テナントの家賃が払えません。テナントの家賃がはいらないと,テナント大家が銀行のローンを払えません。大家が銀行ローンを遅滞すると,銀行の収益が悪化します。なるほど
因果の流れを書き出してみるだけで,いくつか介入できるポイントがあるのが分かります。きっと,それらの組み合わせが適切な対策なんでしょう。
オープンハウスは狭かったり変な形の安い土地を買い,そこに三階建ての家をたくさん建てます。狭いですが都心に近いので,通勤時間が惜しいひとが買います。もとは安い土地なので,オープンハウスがその分,もうかります。オープンハウスがもうかると,株価もあがります。
因果の流れを書き出してみると,いくつか介入できるポイントがあるのが分かります。
都心の変形地,狭小地の在庫は尽きないの?三階建ての家を建てられる会社はほかにないの?そうすると,オープンハウスは,都心以外には進出できないの?
リモートワークが広がると,都心の住宅需要は減るの?もうかっても株価があがらないことはないの?
いつの間にか自分の意見が軟化していることに気づきます。良い会社だと思ったけど,いくつかそれが崩れるパターン、ないではないね,と。
データをもとに,投資を決めます。
が,偏ったデータのみを集めて悦にはいらないよう,注意したいものです。
対抗策は、「因果を説明してみる」
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物事を客観的にみる。
これは何事においても大事ですね。
株においては常に
フラットな目線でいたいです。
あ、なかなかできませんがw
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>soy爺の株式投資さん
いや、ホント、難しいですよね。
分析も方向転換も冷徹にやりたいところです( ̄ー ̄)