それは読んではいけない
「忘れっぽい,はげ,ごましお,しわ」など,老人を連想させる言葉を見たあとは,その被験者は歩行速度が遅くなる。
学校補助金の増額案に対する賛成票は,投票所が学校の場合,そうでない場合よりも有意に多い。
あたしたちは,判断するに際して,言葉,動作,環境などから影響を受ける。
しかも,それを意識できない
これを,プライミング効果という。
(以上,「ファスト&スロー 上」ダニエル・カーネマン著 参照)
バフェットは,金持ちになる秘訣は
①余計な雑音を耳に入れない
②みんなが恐怖しているときは,どん欲に
③みんながどん欲なときは,慎重に
であるといったわ。
②③は,市場の動きに逆張りしろって,ことだけど。
①は,まさにプライミング効果を避けるってことだとおもうんだ
ある銘柄があがる,あがらない,景気が悪い,良い。
そんな情報は世の中にあふれている。
恐ろしいのは,これらは,目にするだけで,無意識のレベルで判断に影響を及ぼしてしまうってこと。
そうであれば,積極的に「見ない」という選択肢をとる必要がある。
「これから二番底がくる」という記事をたくさん目にすれば,無意識のうちに二番底に一票投じてしまうでしょう。
だって,投票所が学校ってだけで,学校への補助金に賛成が増えるわけだから。
あるいは,コロナでシャッターが閉まった通りを目にしても同じかも。
中国などコロナ先行国をみて,第二波がくる確率。
市場予想より悪い決算発表がある可能性。
効果のある既存薬や,コロナが暑さに弱い可能性。
やるべきことは,これらを合理的に見積もって,二番底があるかどうか,その確率を見積もること。
イチかゼロかではなく,確率に応じて資金を投ずること。
論理とデータにもとづいて二番底がくると判断し,そこにお金を投じるのはひとつの途よ。
でも,それが,本当に論理とデータに基づいているかは,きちんと吟味しなければ。
バフェットの話です。
M&Aの仲介をしてくれた証券会社(仲介手数料250万ドル)がほとんど何もしないまま,勝手にM&Aが成立してしまいました。
手数料にみあったはたらきをアピールすべく,証券会社は,購入企業の分析資料をバフェットに用意しました。
それに対して,バフェットの相棒のマンガーは,言いました。
「それを読まないことに250万ドルを支払うよ」
読んでくれて、ありがとう
良いプライミングになればいいのだけれど
↑ 押していただけると泣いて喜びます