リピートを高めるにはライトユーザーを増やす
戦略ごっこ―マーケティング以前の問題
芹澤 連 (著)
を読みました。
「リピート率の高いヘビーユーザーの獲得に努めよう」みたいな俗説は、データからみると間違っている、という本です。
つまり、ヘビーユーザーというのは、もともと品質や価格に厳しいひとなので、実はリピート率は高くなく、他のブランドにスイッチングしてしまうことも多いそうです。これに対してライトユーザーは、そもそも「比較して選択しよう」という意識が薄く、「とりあえず知っているブランドだから」買うので、リピート率が高い、そうです。
なるほどね。確かに、あまり詳しくない分野・・・歯磨き粉でも引越し業者でもなんでもいいですが、「厳しく品質や価格を比べよう」という気にはなりませんね。あたしがクルマのコーティングに凝っているひとなら、KEEPERなんてメジャーなのは選ばず、個人が趣味でやっているような店を選ぶかもしれませんね。あたしはクルマのコーティングなんて全然、わかりませんので、やるとしたら、ガソリンスタンドでノボリをよくみるKEEPERか、なんとなく名前をしっているオートバックスあたりでやりますね、たしかに。
で。
ということで、大事なのはライトユーザーであり、「何かをしよう」と思ったときに、そのブランドを想起してもらえること。であるから、広告を打つときは、間口が広いほうがよく、特定の層にだけ響く広告は効率が悪い。
ちなみに、一般的な認識と違って、シェアさえ大きければ、ブランドのイメージもあがり、高価格も許容されるようになります。「ブランドイメージがあがって、シェアがあがる」ではないそうです。
リピート率の向上など既存顧客も大事ではありますが、基本は、新規の顧客、特にライトユーザーを獲得することが、事業成長の大事な点になります。
あたしが狙っているのは、そもそも競争自体があんまりないビジネスなので、「競合がいて、差別化されてもマネされて、シェアを奪い合っている」ようなふつうの市場に適用される理論は知っても意味がありませんし、投資に具体的に役に立つわけではありませんが、俗説と違った「常識」が書いてあり、面白い本でした。
ちょっと分厚くて、物理的には読みづらいかな・・・・
今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。