プレミアグループはいくらで買うべきか?
バリュエーションって、ふわふわしていて、「いくらなら安いのか」断言するのは、なかなか難しいものです。
とはいえ、「この価格なら、安いと言える!」というのは、ファジーにであれ、決めておかなければどうしようもないので、分析してみようと思います。
今回は、PERではなく、CFからみてみましょう。本来、金融会社は、DCF法ではなくECF法というのを使うのですが、あえて、DCF法でやってみます。つまりは、
「プレミアグループのオーナーになると、会社から、いくら現金が貰えるのでしょうか?」
ってことです。昨年のCF計算書をみてみると・・・・
営業CF
税引前利益40億円
減価償却13億円
自社貸付とリース△76億円
保証料受領50億円
税金と利払い△15億円
差引 15億円!
あれれ・・・利益は40億円もあるのに、手元に残る現金はたった15億円??なぜか?
プレミアグループの基本は、債務を保証するだけ。ですが、自社で資金を出しての貸付やリースも10%ほどしており、それで△76億円もキャッシュが出ていっているからですね。これが、CF的にイタイ。
ここが、プレミアグループの会計の厄介なところです。保証業務と、貸付業務がまざっている。だから、分析しにくい。
では、「自社で資金を出す貸付はやめていたら」、どれくらいキャッシュが残るでしょうか。「自社での貸付がなくなって、そのせいで税引前利益が10%減る」と仮定すると・・・・
税引前利益36億円
減価償却13億円
自社貸付0億円
保証料受領50億円
税金と利払い△14億円
差し引き、85億円もキャッシュが残りました!!利益と先払いでもらえる保証料で、キャッシュは余裕ですね!
ここから、投資CFにでてくる固定資産の取得△8億円を引きます。あと、財務CFにでてくるリース料の支払い△8億円はオフィスビルの賃料ですから、営業経費として引きます。
そうすると、69億円のフリーキャッシュが残る計算になります。
69億円のキャッシュを毎年、生み出す会社・・・・利益成長「しない」と仮定すると、いくらでしょうか?日本株のリスクプレミアムは6-8%ですので、割引率8%とすると862億円。9%とすると766億円となります。
ここから、プレミアグループの2Q時点の借入金190億円(※)を引くと、株式価値は576~672億円となります。発行している株は4000万株ですので、1株あたりは1440~1680円の計算となります。
(※帳簿上は232億円ですが自社貸付しない前提ですし、保有現金もあるので適当に割り引きました。)
概算ですし、割引率で大きく変わってしまいますが、
「自社貸付なし・まったく成長なしという前提ですら、1500-1600円あたり?」
という結果になりました。実際は、この1500-1600円に、①自社貸付事業分を加算、②成長性を加算されるわけなので、
株価1400円なら全力買い。
1500円台でも、「成長はゼロ」なはずがない以上、ほぼリスクなし。
1600円台前半で買っても、まあ悪くはない。
1700円台だと・・・成長性や金利によるかな・・・儲からない可能性は排除できない。
そんな感じですね。
奇しくも、PERでのバリュエーションとあまり変わりません。ほかの保証会社だと、PER12-15程度ですからね。コロナ禍でもプレミアグループはPER14くらいでしたので、次次期のEPSを107円とすると、やっぱり1500円台なら安いと言えるかな、と思います。
さてさてさーて、1550円とかには、もうならないのかな・・・・・。米国株に連れ安で、来月にはそうなるよね?
今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。
suriaちゃん
こんにちは
プレミアグループ、上がらないですね。。
僕のポートフォリオでは、年初来プレミアグループの値下がり率が一番大きいです。。
suriaちゃんが別記事で書いたように、ここは円高の影響はそれ程受けない(はず)なので、ここまで株価が下がるのは行き過ぎだと思っています。
それとどこに記載があったか見つけられないのですが、故障保証事業で扱う部品の原料は円高だと安く仕入れられるようです。
※記憶違いでしたら、ごめんなさい。。
だとしたら、プレミアグループにとって円高はメリットかもしれないと思いました。