高利益率=良い株,とは限らない
その昔,あたしは,営業利益率が高い株ばっかりをスクリーニングしていた時代があったわ。
利益率が高いってことは,付加価値を多く付けられているってこと。
競合との値下げ競争にさらされていないってこと。
その証だ・・・・・・ってね
でもね。
実際にやってみれば分かるけど,利益率が高いってことでスクリーニングすると,IT系やコンサル,製薬会社なんかが常にスクリーニング上位にくるわけ。
そりゃ,パソコンだけで仕事したり,特許をもとに原価ゼロに近い材料から高価な薬を使う事業の利益率が高いのは,当たり前だわ。
レストランだったら食品仕入れないといけないし,家具屋だったら家具を仕入れなければいけない。
実体のあるモノを売る商売の方が,実体のない情報なんかを売る商売より利益率で劣るのは当然よ。
厳密に言い出せば,薄利多売の居酒屋と,高級イタリアンレストランですら,比較するのは適当ではないわ。
「売上が多くて利益が低い」,で,だからどうだっていうのよ。
逆に言うと,同業種間であれば,利益率の違いは,企業としての優秀さの差以外の何物でもないわ。
同じ大衆向け家具を売っている,ニトリと大塚家具,無印を利益率で比べてごらんなさい。
同じ戸建てを売っている,飯田ホールディングスとオープンハウスとタマホーム,積水化学を比べてごらんなさい。
どの会社が優良か,一目瞭然だわ。
注意したいのが,
①経営が多角化している場合は,きちんと同じセクションで比べる
②利益率が高くても,成長していない会社はダメ(変化がないと儲からない)
③企業成長にしたがって,利益率が落ちるのが通常(図体がでかくなれば,利益に直結しない支出が増えざるをえない)
あたしは,利益率を比べるために,日経と会社四季報の業界地図を,毎年,必ず買う。
非上場会社の位置取りも分かるし,過去の業界地図と時系列で比べるのも面白い。
各社,売上と営業利益が1ページに書いてあるから,どの会社が利益率からみて優良なのか,1分でわかる優れものだわ。
結局,どの企業が良い悪いって,相対的な問題だから。
他の企業と比べられる業界地図って,会社四季報以上に必須のアイテム,おススメよ!
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