電気代に異変?(イーレックス1Q
電気を小売しているイーレックスの1Q決算がでましたが・・・・・
あら,16%増収なのに,利益はガタおち。
「お給料の額面はあがったが,手取がなぜか減った」みたいなもの。原因はなんでしょうか,調べてみましょう。
同社の1Q決算説明補足資料によると・・・・・
「競争激化や燃料調整費により販売単価下落」「販売と調達のマージン悪化」とあります。
電気代には,「燃料調整費」という制度があり,石油やLNGガスが安くなると,電気代も安くなる,という仕組みがあります。コロナで石油需要が減り,石油が安くなり,よって,電気代も安くなった。
グリムスのように,発電所を(ほとんど)もっていない会社は,消費者に売る電気代が安くなれば,市場から買う電気仕入の値段も下がっているので,利幅はあまり変わりません。ところが,イーレックスは,自前で発電所を持っているし,相対契約つまりどこかの発電会社から,(おそらくは石油などが安くなる前の)高値の固定価格で電気を仕入れる契約をしてしまっていた。そこで,
発電費用,仕入価格>>電気売却価格
となり,利幅の縮小が起こったとおもわれます。
つまり,コロナの原油安による変動に巻き込まれたってことね。
あたしたちの払う電気代も,燃料調整費で微妙に安くなっているはずよ。
相対契約つまり電気の仕入れ契約が,「長期」固定価格だと,逆ザヤ状態が続く,というヤバい状態が続くことになります。
また,発電所も,建設時点では,電気単価が10円くらいを想定していたでしょう。いまは,電気の単価は5円くらい。コロナで,劇的に状況が変わってしまったのです・・・・・・
相対契約の価格変更がいつ行われるかは,外部の投資家には分かりません。有報には,
契約期間は1年以上で,ただし燃料調整費で調整する条項が入っていることもあるらしい・・・・・・・ってとこまでしか分からない。
「原油が安くなったから,仕入価格も安くして♡」と言えればいいですが,もしそうでないなら,中期的にはあまり良くないですね。
結局,イーレックスが中期的に復活するかどうかは,契約上,価格調整をいつ,どれくらい行えるのかに左右されることになります。
ですから,そこをある程度読めるひとは投資すればいいし,そうでない人は,株を買うべきではないでしょうね。「飛行機の需要縮小→原油安」,は当分続くでしょうから,相対契約や発電所を抱えている会社を買うのは,今はリスキーかな,と思います。
しっかし,同業者の決算をみるだけで,いろいろと知識が増えていって,いい感じだわあ・・・・・
読んでくれて、ありがとう
発電所をもたない身軽な銘柄に囲まれた、良い一日をお過ごしください
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