金利上昇で、どれくらい減益になる?(オープンハウス
金利が上昇して大変にゃ!!借金だらけのオープンハウス、売らなければー!!
まあ、まちんさい。恐怖しないで、計算してみましょう。
金利上昇で、不動産株はダダ下がりですね。逃げ場のようにも、買い場のようにも思えますが、まずは計算してみましょう。
日本の住宅ローンは、80%が変動金利です。
変動金利は政策金利=短期金利に連動します。今回、上昇したのは長期金利です。「これから」固定金利のローンを組む20%のひとたちは、負担が増加しますが、変動金利のローンを組む場合は関係ありません。
ですから、売上への影響は、「固定ローンをくむ20%のひとのうち、何%が購入をあきらめるか」という話になります。4000万円のローンの金利が0.2%上昇すると、月々の負担は7000円増加・・・・「4分の1のひとが諦める」とまったくもってテキトーに仮定すると、5%の売上減益。
・・・軽微ではありませんね。
ただし、住宅ローン減税というものがあります。ローン残高の1%までは実質金利負担ゼロ。そして、現在の住宅ローンの変動金利は0.4%くらい、固定だと1.2%くらいです。
変動金利を選べば(10年間ですが)金利ゼロ、固定だと0.4%(1.2%+利上げ0.2%ー減税1%)・・・・こうなったら、変動金利に流れるひとが多くなるだけ、とも考えられます。というか、実際、そういう歪みがあるからこそ、変動金利をえらぶひとが80%なわけです。
オープンハウスの前期の経常利益:1211億円
借入金:約500億円
利息:35億円(利率は平均0.88%。有報より)
割合は不明ですが、35億円のうち、半分が「変動金利の金利負担」で長期金利の利上げに無関係、残り半分が「固定金利の金利負担」で、借り換えの際に0.2%、金利負担が増えるとしましょう。
18億円について、金利負担が22%増加することになりますから、4億円、負担が増えることになります。経常利益の1%にもみたないですね。
「固定金利で借りている割合がもっと多く、さらに金利上昇があって、ようやく経常利益がマイナス1%になるかな」という感じです。
ということで、財務への影響は無視してよいレベルですが、売上については、戸建て、マンション事業へは5%くらいの売上減がある・・・・?という感じでしょうか。
他方で、利上げで円高になり、原材料費が安くなれば、プラスの影響がまさることも考えられます。売上が5%減っても粗利率が1%上がるなら、利益はむしろプラスです。
収益不動産やアメリカ不動産事業にどう影響するかも未知数ですし・・・・ちょっと、計算しきれないな。
ひとつ言えるのは、株価としてはすでに10%も下げており、2回めのYCC拡大までも織り込んでいる勢いだということ。「さらに下がることは考えにくく、あとは上がるだけ」・・・・かな?
リートの上場やM&Aなど、伸びしろはいくらかはあると思います。
コロナの時でPER5倍ですから、PER6あたりになるなら買おうかな・・・3%の配当と1%の自社株買いがあれば、現金にしておくよりマシですから。
ただし、金利の推移も影響も予測できないあたしは、「金利でどう転ぶかわからない」という銘柄よりも、「金利が上下しても業績に影響がない」銘柄をえらぶべきでしょうね。あるいは、日本国債の空売りを組み合わせるか、銀行セクターのETFでも合わせ買いしておこうかしら・・・・。
まとめると、
「YCC解除まで織り込んでいる可能性があり、下値余地は限られている気がする・・・・コロナのときにPER5だから、PER6くらいで買えれば、円高による原価低減やM&Aの発表などがあれば悪くないかも」
ってとこですか。
今回は、プレミアグループとちがって、計算で確たることを言うのは難しいですね。エントリーする場合は、「ここから下がってもたかが知れている」というところで買うのが吉だと思います。
今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。