真のバリュー投資とは!!

真のバリュー投資のための企業価値分析
柳下 裕紀 (著)

を読みました。機関投資家の方の本で、内容は極めてオーソドックス。ROIC(税引き後営業利益÷投下資本)と参入障壁を確認し、DCF法で企業価値を算定し、その理論価値の50-70%で買う・・・・ってな感じ。キャッシュ重視なので、会計上の利益をもとに算出されるROEやPERはお使いにならないようです。

 将来のキャッシュフローを予測し、現在価値に割り引く・・・・王道すぎるんですけど、王道すぎる投資法の本って、意外にない(一般受けしないんでしょうね・・・)ので、読んでいて楽しかったです。和製バフェットみたいでした・・・。書籍の最後の文章を引用させていただくと・・・

真のバリュー投資家が追い求めるべきは、企業であり、そのIntrinsic Valueであり、本質的な競争優位性である【同書189頁より引用】

 あたしたちは、とかく、「株価があがりそうな企業」を探し、将来「株価」を予想します。しかし、予想すべきは、将来の「キャッシュフロー」(そして、そこから導かれる企業価値)であり、注目すべきは、それを確かなモノにしてくれる競争優位性・・・・差別化された商品、規模の経済性、洗練された生産管理・・・・。どうせ、株価は業績に追いつくのだから・・・って感じでしょうか。

 やっぱり、重要なのは、ソコですよね、競争優位性、将来のキャッシュフロー。「市場変更で株価どかーん」、なんて、株価を予想してはいけない(笑)

 「競争優位性がある企業を買う」ということに異論はまったくありませんが、「じゃあいくらで買うの?」という点が、やはり難しい。著者はDCF法をお使いになられていますが、やはり、割引率や、予想成長率に対する感応度が高く、ちょっと数字をいじるだけで、ゼンゼン異なる理論株価が出てきてしまいます。さらに、出てきた理論株価を、50%とか70%にしてエントリーポイントを決める・・・むー。

 ただ、柳下さんは、インデックスを凌駕する、素晴らしいパフォーマンスを継続的に上げられているので、あたしごときが意見を言える立場ではありません。DCF法の限界は認識しつつもDCF法をやってみたほうがいいのかなあ・・・・・

 資本コストを6.6%とし、5年後までの成長率を18%、永久成長率を5%とし、来年のフリーキャッシュフローを40億円、有利子負債を50億円とすると、DMMIXの理論価格は1687円・・・・30%引くと、エントリーポイント1181円・・・・成長率を20%としてみると、理論価格1940円、エントリーポイント1358円・・・・んー・・・・・・「成長率を20%とするなら、いま、買ってよい値段だが、18%と予想するなら買ってはいけない値段」かあ・・・・・・わからん。分散してかおっと・・・・。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ

③バリュエーション、そして売り本の書評

2件のコメント

  • 防衛的投資家

    最強の武器だけど選ばれた者にしか使えない感じですね。自分には今のやり方の方が合ってる気がするとても人には薦められないけど

    • suriaちゃん

      そうですね、現金の扱いとかリースの扱いとか小難しい論点も多く、その辺りを調べるのが面倒です、、、(*゚∀゚*)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA