業界のガリバー、日本M&Aセンター

M&A仲介会社のストライクをみたので、業界トップの日本M&Aセンターをかるく見てみましょう。

あらら、成長鈍化で、経費増、ですかね?

不適切会計問題・・・・M&Aが成約していないので、会計上、まだ計上できない売り上げを、契約書を偽造して売上計上した問題で、セミナー開催などをストップしていた影響ですね。ちょっと特殊な事情といっていいでしょう。

セミナー開催?

M&Aって、銀行や会計事務所から紹介を受けて受託するというルートがひとつ。もうひとつは、DM打ったり、「後継者不在にM&Aを活用しよう!!」みたいなセミナーを開いてその参加者から受託するルートがあります。不適切会計問題で、セミナー開催を控えていた、だから売り上げ減、ということ。

ふーん。じゃあ、不適切会計問題の処理がついて、セミナーを再開すれば・・・

どうでしょうね。来期の業績予想は営業利益+10%。これに対して、PERは30。割安という印象はないですな。

通期決算説明資料10頁より

新人の増加による単価の低下、新規案件の減少、人件費の増加・・・これらを今後も乗り越える必要がありますね。


 競合のストライクが、成約時期の後ろ倒しを理由に下方修正しているなかで、業界トップの日本M&Aセンターが売上の前倒しで問題になっている・・・・というのは、ある意味では面白いですね。

 「ノルマきついし、どうせ成約するんだから、ちょっと前倒ししても問題ないやろ・・・」みたいな感じなんでしょうか。

 日本M&Aセンターは業界トップであり、ゆえに会計事務所や銀行とのパイプも太く日本一で、売り手の情報、買い手の情報ともに豊富、マッチングさせやすい。だから、着手金、つまり成約前、業務を始める段階でお金をとれる。ストライクは着手金を無料にしていますが、これは安売り競争ともとれるわけです。

 今後も成長するには、ばんばん採用して、ばんばん辞めて独立していく・・・・という流れにまけないよう、コンスタントに人材を雇用し続けなければなりません。

 また、よく言われることですが、M&Aは、買い手、売り手、両方とも仲介者が代理してしまいます。買い手は安く買いたいし、売り手は高く売りたいんだけど、仲介業者はテキトーに間をとって早く成約させたいから、ガチで価格をネゴしたりはしない・・・だって、買い手も売り手も両方お客さんですからね。
 ここに法規制がかかれば、その時点でストップ安でしょう。最悪、売上が半減しますので。

 売上を上げるパイプが日本一である以上、今後も安泰だとは思いますが、今までのような成長が戻るとも思えませんね。競合も増えて価格競争も始まっていますし、人材の流出、過剰なノルマに不祥事。

 競争が激しい業界は、手を出せないですね。労働集約的産業も、どうも好きになれないです。株価が安いなら別ですが。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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