有報よもうぜ


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「決算書を読もう」系の本はもう読みません・・・初歩的なことしか書いていないのが大半で、得るものがないので。この本は、有報について書かれていたので、念のため、買って読んでみました。

みなさん、有報って読んでますか?

たぶん、原価や販管費の明細を知りたいときに辞書的にみる・・・くらいが多数派ですかね。だいたいの情報は決算書と決算説明資料で足りますから・・・・。あ、あとは、「事業等のリスク」も一応目を通しますね。

この本は、有報を扱っているだけあって、初歩的な内容にとどまらなかったので、買ってよかったです。

勉強になった点その1。ハイライトをみて、「推移」を把握する。有報の冒頭には5年分のハイライトがあるので、それで自己資本比率などの推移をチェックする。さっそく、キーパー技研のものをみてみましょう。

一番右が2020年6月期、一番左が2024年6月期です。

まず自己資本比率の推移をみてみましょう、概ね70%程度でやや右肩上がり、と言っていいでしょう。順調に儲けていることが分かります。

例外が2021年で、一度60%になっています。CFをみると、昨年度に投資CFで大きなマイナス、2021年度にも財務活動で大きなマイナス。決算書などでウラをとると、前者は世田谷の土地11億円の購入であり、後者は自社株買いです。

自社株買いはいいとして、土地購入はその必要があったか、精査が必要ですね、自己資本比率とは関係ありませんが・・。

次にROE。40%前後でうろうろしており、やはり順調であることがうかがえます。2020年6月のみ16.7%であり、2021年6月期に飛躍的にROEが向上したことが即座に分かりますね。2021年6月期には、YouTubeによる宣伝、予約システムの導入や各店舗のキャパアップで業務効率がいっきに上昇していました。

決算書だと2年分しかみれませんけど、有報だと5年間の推移が把握できて、面白いですね。推移を追って、異常値があれば各年の資料をあたる・・・・いい感じです。

勉強になった点その2。「監査上の主要な検討事項」をみる。有報の最後の方に、監査人が特に重点的に検討した点が書かれています。会計のプロが「クサイ」と思ったところなので、会計上のリスクを把握するのにうってつけです。

キーパーの「監査上の主要な検討事項」は、製品事業の期間帰属・・・つまりどの時点で売上計上しているか、それが適切に運用されているか、です。期末に押し込みで売上計上するとか、最悪、架空計上してあとで返品処理するみたいな不正がないか、監査法人が確認したと思われます。ふんふん、なるほどね。


今後も、ハイライトと監査上の検討事項は機械的にチェックするクセをつけようと思いました。



今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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決算書・有報をよむコツ本の書評

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