投資の怖さをしってほしい
村上世彰、高校生に投資を教える。 KADOKAWA( 2020/7/17)
村上 世彰 著
村上さんは,通産省を辞めて村上ファンドを立ち上げ,「モノ言う投資家」として名をはせた方です。
村上ファンドのパフォーマンスは,ググった限りでは,「5年で2倍強」というところ。インデックスを上回っていますから,優秀な投資家と言っていいのではないかしら。
何か学べるものがあるかと思い,書籍を買ってみました・・・・が,「高校生に教える」というものだからか,「お金について知っておいた方がいい」みたいな,マネー論が半分くらいかな・・・・・・。もうちょっと,具体的なバリュエーションとかに触れてほしかったよ
そもそも,村上さんの投資手法は,
①現金や不動産を遊ばせている,業績の安定した会社の株をたくさん買う。
②大株主の地位をもって経営陣に圧力をかけて,それらの現金や不動産を活用(株主への配当とか)させる。
③それで株価がアップしたところをみはからって,売却する。
という,極めてシンプルなものですが,個人投資家では②をマネできず,直接には参考にできません。とはいえ,調査の方法とか,気になったところはまとめておこうと思います。
IR部門の利用の仕方の項目で・・・
「今の業績が好調だとして,それは将来的にどのくらいまで拡大が見込めるものでしょうか。そして,新たな事業展開の可能性はどうでしょうか。どのタイミングでどのくらい,新規事業が売上や利益に貢献してくるのか。その他,中期経営の計画の中でもまだ回復が見込めない事業などは,成長軌道に戻せるのか。そして,成長軌道に戻してどのくらい業績拡大の可能性があるのか。そんな話も聞いてみるといいと思います。」(同書123頁より引用させていただきます)
・・・・そおんな,突っ込んだお話をIRにふるんですね・・・・・参考になります・・・・・・・・・・
IRのひと,かわいそう(笑)
「株価が安くなっている理由を考える」の項目で・・・・・
(株価が)「割安だからといってすぐに飛びついてはいけません。その前に,「何で割安になっているんだろう」と,その理由を考えてみる必要があります。安いのには,安いなりの理由があるかもしれません。スーパーや百貨店で定価の半額で売っている物があるからと言って,それだけでその商品に飛びついて買うわけではないですよね。たとえば,定価一万円のカバンが5千円にディスカウントされて売っているとします。この場合,どうして定価の半額にしているのか,そもそも自分にとってそれは5千円を出して買う価値があるのか,ということを考える必要があります。」(同書98ページより引用)
うーん,お値下げ品のたとえ話は,分かりやすいですね!!
良い会社が安くなっていても,安くなっている理由を考える,クセをつけねば・・・・・・
わざわざ国家公務員を辞めて,投資家になった村上さん。「生涯投資家」という本まで書かれていますが,まさに,投資家という生き物といっていいでしょう。
そんな村上さんでも,会社四季報をきっかけに有望銘柄発掘したり(プロも四季報よむんだ・・・),損切りラインはなかったり(シナリオが間違っていたら撤退),IRをガンガン活用していたり,と本書の端々からにじみ出る投資手法は参考になります。
「私自身,人一倍どころか10倍も100倍も調べて考えて買っているわけですが,それでも失敗することはあります」(同書64頁)
よーし,あたしも,他人の100倍,調べよっと。
村上さんにできるなら,あたしにだってできる・・・・・・・はず。え,村上さん,お父さんも投資家かあ・・・・・・・血統,ずるい・・・・・・・
読んでくれて、ありがとう
高校生に負けないような銘柄に囲まれた、良い一日をお過ごしください
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