売上２割増の、丁寧な家づくりをする会社
躁うつ病の市場はほっといて、オープンハウスの属する住宅会社の分析をすすめていきましょう。再来週に米国で広まってヤマ、かしら？
基礎知識
住宅メーカー。
主に戸建て住宅をつくってる。
２０１９年度は，２階建てが８２３件，３階建てが７７７件。
営業利益の６０％が戸建てとマンション分譲。それ以外に，収益不動産販売，注文住宅建設，賃貸収入が少し。
オープンハウスと同じく、都心のせまい土地に，３階建を建てるのを得意とする。
ちなみに，大手のハウスメーカーは，材料の規格が決まっていることがおおく，狭い土地で工事したり，斜めの外壁をつくったり、といった個別対応はニガテらしいよ
仲介業者や建設会社の子会社，アメリカとベトナムに海外子会社を持つ。
海外進出したり、消費者に直売するあたり、オープンハウスと、ものすごく似てるわね。
三栄建築設計の損益
でこぼこはありますが、おおむね、順調に利益がのびてるね。
ただし，２０１９年度の決算書をみると、、、、もっていた不動産の販売で高額なものがたまたまあり，利益が（１０億円くらい？）かさましされた模様。
もうかっているのはいいことだけど，一過性である点は，あたまに入れておかなきゃね。
前期は、、、減益ですね。
これは、理由をみてみなくっちゃ。
・・・・・・・「投資用マンションを，値引きしたり，一括で業者にうった」らしい。
売れなくて，バルクセールしたってことかな？
それなら，黄色信号・・・・・
決算書には，「販売用不動産及び仕掛販売用不動産のうち１４０億円分を事業用及び賃貸用不動産に振り替えた」と注記にこそっとあります。つまり，客に売ろうと準備していた不動産を，自社で使ったり賃貸にまわすように，振り替えた，と。
・・・もしも，「売ろうとしても売れないとおもったから」やむなく振り替えたのなら・・・・・・・・・・・。
というか，そうとしか，よめないのだけれど
当期純利益が９４億円のところ，「関係会社貸付金」？？？が，今期，２３億円貸付・・・・・・・・
・・・・・ＲＯＥ１５．５％かあ。オープンハウスは３０％なのに・・・・・
ＢＳをみると、、、、年間純利益の１０倍の借金
！
！これだけの借金あるのに、ＲＯＥ１５では、効率的な経営とはいえないかな、、、、
(※借金が多いと、ＲＯＥがヘンに上昇してみえる仕組みになってます)
また，ホテル事業にも手を出し始めたようなので，コロナダメージが一時的にはまずいでしょうね。
コア事業の戸建て分譲事業の引渡件数は，下記のとおり。
１１８２件→１２７４件→１４８６件→１２７９件→１６００件
わるくはない、、、かな？
けつろん！
マンション価格の高騰により、消費者は戸建て住宅に流れている。
格差社会が進行し，住宅も，ローコストと，アッパー向けに二極化される。
だから、地合いは良いとおもう。
実際、三栄建築設計の業績は，おおむねは，上向きだし、今後もそれはつづくかもしれない。
ただし・・・・・借金、多すぎかなあ。
キャッシュフローかつかつだし、自己株式取得もない。
来期は純利益７％増を予定。これではインデックスに負けてしまう可能性が高い。
有報をよくみてみると，不動産の保有目的変更！とか，関係会社貸付金！とか，「・・・大丈夫，これ？」みたいなのが，散見されます。
オープンハウスと比較すると、積極的にかう必要性まではないかな。
ＰＥＲ４，５くらいで安いんだけど、残念。投資せず。
ムックの企業研究シリーズで、三栄建築設計の本が出ています。また，同社の社長がかいた「家づくり大革命」というご著書もあります。
両方よんだのですが、「同じ家は、つくらない」のモットーで、建売とはいえ、一軒一軒の周囲の環境や自然を生かし、窓の位置、照明の位置などにこだわりぬき、かつ独自の金物なんかを使用した安全な家を作っているようね。
もちろん，会社の宣伝のための本なんでしょうけど，それを割り引いても，いい会社だな，とおもったわ。
「人口の増える都心部の狭い土地に，３階建て」というのは悪くない分野だとおもうので，経営状況の改善に期待。
