含み益5000万円が教える決算書の読み方のキソ⑥【純資産】

 
 
番外編。
 
読者サービス。
 
でも,純資産って,あんまり
 
解説することがない・・・・
 
BSの純資産をよむ① キソのキソ

 

読者さんから,「純資産のほうも何とかお願いします!」というリクエストをいただいたので,BSの純資産の部についても,軽ーく解説しておきます。

 

 

まずは,たとえ話を。

 

 

「5000万円,預金をもっている男性」

 

 

お金持ちですね。ステキ!

じゃあ,こんなのはどうかしら?

 

 

「5000万円の預金をもっているけど,前日に銀行から4800万円を借りて、それを預金しただけだった男性」

 

 

一気に魅力がさがりましたね?自己資金200万円じゃないですか。サギだキョロキョロ

「いや,男は金じゃないんだ」という人は,リッパです!!

 

 

ここから分かる通り,5000万円を持っているとしても,でどころが重要なわけ。

企業も同じ。預金と不動産1800億円もっていても、借金由来の1800億円の財産と、自己資金由来の1800億円の財産では、意味合いが違う。

 

その、財産の出どころを示すのが,実はBSなの。

 

 

 
BSの純資産をよむ② 財産の原資はどこ?

 

引き続き,第一興商の最新の決算書より引用します。

 

BSの「資産の部」は,「その会社が何をもっているか」が書いてあります。

土地,建物,現金・・・・・・合計1800億円の財産がありますね。

 

ただし,出どころはわかりません。

1800億円のうち,借金で買ったものが1500億円かもしれないし,ぜんぶ自己資金かもしれない。

どうやって1800億円をこさえたのでしょうか?

 

次のページに,出どころが書いてあります。

 

 

負債の部は,「他人から調達したヤツ」ですショボーン

 

買掛金,つまり取引先にまだ払っていない代金がある(から,その分,在庫商品など財産がある)

銀行からお金を借りた(から,その分,現金など財産がある)

 

 

純資産の部は,「自分で調達したヤツ」ニコニコ

 

資本金,つまり,会社を興す際,会社を上場した際,株を発行して払い込んでもらった出資金(が形を変えて今、現金や建物の財産になってる)。

利益剰余金,つまり,会社を経営して儲けたお金(が形を変えて今、現金や建物などの財産になってる)。

 

順調な会社なら,利益があがり,それが「利益剰余金」に毎年、累積していき、預金や不動産として残っていきます。

 

第一興商では、1800億円のでどころは,450億円が他人由来,1360億円が自分由来ですね。そして、そのうち1240億円が過去の稼ぎ!すごい!

 

1800万円の住宅をもっているひとで,自己資金1360万円、うち1240万円は自分でためた貯金、120万円は親からの贈与、そしてローン450万円だったと考えましょう。自己資金、しかも自分でためたものが多いので優秀ですねラブ

 

 

ただし,負債つまり借金が多くないとやってられない業種というのはあります。

発電所を作らなきゃならない,土地を買って家を建てて売らなきゃならない。

そういう業種は,大きな先行投資が不可欠なので,負債の比率が高くなる。けど,それだけでは、「不良企業」とは言えません。

あくまで,同業種で比べるのが肝要。

 

 

 
BSの純資産をよむ③ 各項目について

 

純資産は、つまるところ、正味の自分の財産だから、一番、増やしたいところです。しかし、決算書の分析においては、「純資産の部」はあまり重要ではありません。

 

 

大きな数字というと・・・・利益剰余金ですが。

ROEや利益率でスクリーニングしたあとの優良会社なら,「利益剰余金」がたくさんあるのが当たり前。

あとは,自己株式としてマイナスがあると,「ああ,自社株買いしてるんだな」と分かる,くらいかな。

 

残るは細かい会計上の調整要素のみ。

「非支配株主持分」ってのがあると,「ああ,100%の持ち分をもっていない子会社があるんだな」とか分かりますが,投資先の選定にあまり役に立つ知識ではありません。

 

結局、純資産の部そのものは、使いみちが乏しい。負債の部との対比でみると、企業の安全性具合がわかる、というくらいかなあ、あたし的には。

 

読んでくれて、ありがとう
自己資本が手厚い銘柄に囲まれた、良い一日をお過ごしくださいニコニコ

 


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決算書・有報をよむコツ

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