ロードスターキャピタルを分析しなおす

みなさんよりコメントいただいています。

kinさん。

「suriaちゃんこんにちは!(こんにちは!)
ロードスター強すぎですね。底値で買えた株の40%ほど利確してしまいましたが、suriaちゃんはまだまだホールドでしょうか?(もちろんです!まったく売っていません)
予想通り特に買い増し場面もなくここまできちゃいましたね。(大株主の森田さんに期待です)」

lotusさん。

「Suriaちゃん、皆さん今晩は!(今晩は!)

ロードスター、強いですね! もうご存知かと思いますがモルガンスタンレーが
大量保有報告提出ですね。5.09%で大株主の森田さんを抜きました。(はい、見ました!機関投資家が評価してくれて、嬉しいです)

Suriaちゃんは当分ホールドして下さったら嬉しいです。(・・・仕入れが停滞しなければ!)」

ネオピエロさん。

「suriaさん、こんにちは。
最近毎日記事が更新されて嬉しいです。(ありがとうございます!!決算が多いもので・・・)

プレミア、ロードスター、株価上がってきましたね。
バリューからグロースに資金流れ始めたでしょうか。(そんな感じですね。グッドスピードなんかも上がりましたし)

ロードスターはモルガンが大量報告とのことですが、なんとなく近々空売りで攻めてきそな予感…。
とはいえ、ロードスターは来月が権利付だし、例年上方修正と増配してるので、利確しにくいです。
ロードスターの短期的上値はどれぐらいを想定されてますか?(後述のとおり適正価格が2000円だと思うので、上ぶれても2400円くらいかなーと思ってます)

また、グリムスの決算改めて見直したんですが、小売の売上がマイナスなのが気になります。
元々通期でも売上はヨコヨコ予想ですが、利益は2桁増益。
今後も売上は伸び悩み、利益は二桁増益が続くとしたら、売上が伸びてない以上投資対象としては不適格でしょうか?(いえ、まったくそう思いません。小売はもう、利益がエネルギー価格に左右される不安定要素でしかないので。太陽光発電が売れて利益があがれば、それでいいんじゃないかしらと思います)」

みなさん、ロードスター好きですね(笑)

実は最近、決算数値をエクセルに打ち込んで分析するのがマイブームです。まあ、本職のアナリストなら誰でもやっていることでしょう。ということで、改めてロードスターをみてみたいと思います。(ちなみにその第二弾がプレミアだったのですが、間違っておとといにアップしちゃいました)。

ポイントとなるコーポレートファンディング事業のみの売上、原価、在庫を記します。いくつかあたしが推定した数字が入っていますが、説明は割愛します。

1 高ROEが継続するか?

中計でROE30%以上、とうたっていますので、分解して検討してみましょう。ROE=利益率×回転率×レバレッジです。

まず利益率ですが、販管費≒賃貸収益なので、コーポレートファンディングの粗利率を税引き後にしたものがそのまま妥当します。粗利率は30%くらいなので、税金30%を引くと20%というところです。

回転率は、おおむね0.3・・・つまり仕入れて3年でビルを売るわけですね。実際は、2年で売るビル、3-4年寝かすビルなんかが入って、総合して0.3というところです。ただ、バリューアップには時間がかかるので、これが早くなることはないでしょうね。

レバレッジつまり自己資本率は10%というところ。基本は借金してビルを買うわけであり、低金利の今、無理に自己資金の比率を増やす必要はありません。ここも変わることはないでしょう。仮に自己資本が手厚くなったら自社株買いしてくれると思いますし。

ということで、ROEが達成できるかは、ひとえに30%バリューアップできるビルを仕入れられるか、によります。30%バリューアップということは、そのビルのテナント収入が30%あがるということです。毎年2-3%の値上げ作業を10年さぼっており、空テナントが10%あるビルがあれば、達成できそうですね。

したがってROE30%の達成は、そういったビルの売却情報が岩野社長の手元に届くか・・・によることになります。「今まで達成していたから今後も可能」とも言えるし、「どこかで頭打ちになるのでは」と疑うこともできます。ただ、不動産はクローズドなマーケットであり、基本は、仲良しの仲介業者からお得意さんに情報が回る・・・という性質を踏まえると、「今後も可能」に一票ですかね。

ただし、さほど確度が高いわけではないので、「将来利益不明」として、PERは5前後をうろうろすることになるでしょう。

2 成長余地はあるか?

仕入れるビルの件数を毎年増やすだけでは、質が落ちてどこかで利益率も成長性も低下してしまうでしょうが、高いビルを仕入れることができれば(鑑定や賃料交渉する手間は比例しないので)人件費的には有利です。

調べてみると、平均12億円くらいのビルを仕入れていたのが、ここ2年では20億円近くなっています。

また、不動産管理受託の事業では、自社で買えないレベルの高額物件を管理しています。購入するビルの件数を増やせるかは微妙と思いますが、単価を上げることは十分可能だし、今後も可能ではないかと思います。

ただ、論理的な推測にすぎず、また、高額のビルになれば競合も増える(競争相手の少ない中小型のビルだから利益率が高い可能性がある)可能性もあるので、「確度が高い」とまでは言えないですね。

3 バリュエーション

企業価値算定の王さまはDCF法ですが、ロードスターのような不動産業は、抱えている資産価値が利益に直結しますし、PLは自在に益出しで作れる(笑)ので、DCFではなく資産価値から算定するのがよいでしょう。

在庫不動産の15%が税引き後隠れ含み益と推定して純資産と足し、自社株控除後の株数で割ると、2023年末で1576円、2024年末で1967円となります。

いま、株価は2000円前後です。3Q決算も終わり、市場は2024年の見据えている、ということであれば、全く違和感のない価格です。1800円とか1700円になるというなら安め、と言ってよいでしょう。算定基礎になっているのは将来収益ではなく不動産価格ですから、30%40%といった安全域をとるまでもなさそうです。

4 決算のセンターピンはどこか?

ということで、最初のポイントは「不動産の仕入れ」ができるかどうか(=岩野社長の人的ネットワークの継続性)でしょう。決算を見る際は、PLもCFも無視して、BSの「販売用不動産」の伸びのみをとにかく見ることがポイントになります。

次に、成長性との兼ね合いで、ビルの単価かな。順調に上がっていればいいし、横ばいか下がるようだと、のちのち、きつくなります。

なお、四半期のブレの大きい業態ですから、四半期の業績を重視するのは良くないと思います。

ま、あたしが言っていることは、今までと別に変わりませんが、あえて数字で確認してみました。そしてスッキリしました!がんばれ、ロードスター。そして、首都直下型地震だけはやめてください。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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