メガバンクの銀行員、ぐだぐだ!!
メガバンク銀行員ぐだぐだ日記
目黒冬弥 (著)
を読みました。システム障害で有名な「M銀行」の現役社員の暴露本です。
銀行員って、窓口業務以外、何をしているのか、いまひとつ分からないですよね。彼らが何をしているのか、具体的にわかって参考になりました。
融資先に行って、まとまった振込やドル転など為替業務を自行でやってもらうようお願いする。社長夫人に投資信託をすすめる。決算ごとに融資先の決算書を分析し、担保(社屋や社長自宅でしょうね)に変わりがないかたしかめ、分析レポートを審査部へあげる・・・・。なるほどねえ。
朝礼では、こんな描写があります。
「矢野課長は、課全体の営業目標に対しての現況を報告する。「業務粗利益の目標達成率48%は相変わらず。貸出増加額目標達成率38%は先月末比で7%のマイナス。預金増加額目標達成率45%は・・・」
【同書79頁より引用】
支店ごとに、どれだけ融資し、どれだけ預金を積み上げ、その差額の粗利をいくらにする・・・そんな目標があって、朝礼で確認するんですね・・・・。
利息0.1%で預金を集め、それを財務状況にいい会社に、5億10億、利息2-3%で借りてもらい、利ざやをゲットする・・・・銀行って、消費者のあたしたちからすると、「ATMでお金を引き出す場所」というイメージしかありませんが、見えないところで貸出先開拓にがんばっているんだなあ。勉強になります。
で、投資に役立った点。
「貸出増加額」に目標があるくらいですから、億単位で借りてくれる事業者や3000万円を貸せる住宅ローンが銀行の本命、上客なんでしょうね。だからこそ、銀行は、100万円ちょいの自動車ローンには、あまりチカラをいれない・・・細かい貸し借りを管理するのはコストがかかるし、個人を審査して債権回収する能力も経験値もない。担保の自動車を引き上げて売るノウハウもない。こうして、オートローンは、銀行本体はあまり進出せず、オリコやプレミアグループが出てくる余地がある・・・・。
また、この本に、「別のメインバンクから借りる予定の10億を、M銀行で借りてもらう交渉に成功して貸出残高目標達成」した場面がでてきますが・・・「お金を貸す」って、金利以外に差別化ができないから、ビジネスとしては辛そうですね。
逆に言えば、どこかで差別化さえできれば、「お金を貸す」という業務は3000年前から不変の地味なローテクビジネスですので、優位性は長く保てるんだろうな・・・だからバフェットは銀行や保険会社をたくさん持っているんでしょうね。
借入、金利、銀行・・・・いずれも経済を理解するには勉強しなければならないところです。投資の直接の役には立ちませんし、パワハラ支店長にいじめられる話や転勤の苦労話の分量がおおいですが、読んでおいて損はない本だと思いました。
今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。
suriaさん、こんにちは。
keeperの分析ありがとうございました。
先程、keeperの決算が発表されました。
私の印象では、健闘してるかなという印象です。
プレミアと同じく、半導体不足が解消されてくれば、先が楽しみかなと。
しかしながら、株価はまだ割安とは言えず、手を出すか微妙なとこです。
suriaさんはkeeperの決算をどう捉えましたか?
おっしゃるとおり、微妙かつ割高かなと思いました。
新店の展開が4月も遅れるだなんて、尋常ではありません。10%20%下がったら、ちょっと買ってみたいですね。
バフェットは銀行が好きですがなぜバンカメなのかよくわからないのですがわかりますか?
残念ながら、あたしもわかりません。バフェットって、意外に個別銘柄について突っ込んだコメントはしないんですよね・・・。
正確ではありませんが確かバッフェットが風呂に入っている時バンカメの将来について考えていた時にピントきたと書いてあるのを読んだ記憶があります。その時はウェルズファーゴもお気に入りで(問題が発覚する前)並んで大きなポジションを取っていたような気がします。
自分の想像ですがバッフェトはアメリカの経済システムに強い自信を持っいて銀行はその恩恵に預かれる成長株だと見なしているのだと思います。バンカメにはそれプラス独自要因があるのだと思います。
もちろんバフェットはレバレッジの危険性についても十分に認識しているのでコロナショックの過程で銀行株全体のポジッションを減らしていたがバンカメのポジッションは増やしていたので健全性にも自信があるのだと思いんます。全上場企業の決算書を読んでアメリカ経済を理解しているバフェットにしかわからないものがあると思います。
なるほどー、おそらくそうなんでしょうね。「バンカメにある独自要因」が知りたい・・・・・