投資手法と成績

「現在の」手法は以下のとおりですが、コロコロ変わります。



「我々の役割は機関投資家が見向きもしない隠れた割安小型成長株を見つけ出し、大量に投資すること」
―清原達郎氏「わが投資術」 184頁

1 買う企業の特徴


(1)実質的なPERが4~6くらい、値段がバグっているもの。「まあまあ割安」というレベルは買いません。
(2)意欲的な中計、野心的な社長発言などから成長の意思が読み取れるもの。なお、利益率が一定か上がっていることが望ましい。

重要なのはまず値段です。どれだけ優良な株であっても、その優良さが織り込まれた値段で買ってしまっては投資ではありません。では、いくらなら買えるか?景気敏感株、不動産や金融系だとPER8とかがザラであることを考えると、やはりPER5くらいでないと投資できないと考えます。PER9とか10だと、今後の成長を織り込んでいる可能性が排除できません。PER5なら、収益が横ばいでも利回り20%。インデックス投資を蹴って個別株投資するに十分です。PER10だと利回り10%。利回り7-8%のインデックス投資と比較すると、ちょっと割に合わない感じです。
PER5で、しかも収益が横ばい、いや逆に成長すらありえる企業・・・それこそが狙うべき株です。値段の点がクリアされれば、成長する意思があるか、きちんとキャッシュを稼げているかどうか、財務は余裕か、株主還元する気があるかなど内容の調査に入ります。
「本来PER30がつくべき成長株をPER20」で買うという手法もあると思います。しかし、成長企業となると、「いつまで」「どれくらい」成長するか予測が必要であり、それらを控えめに算定するにしても金利と永久成長率をも予測せねばならず、結局変数が多すぎて、バリュエーションに対する確固たる意見が形成しづらいと思っています。おうおうにして成長鈍化からPER切り下がりにつながることが多いですし。

2 買わない企業の特徴


・下請け、親子上場:適切な利幅確保・資本政策が期待できない。
・ネットキャッシュがマイナス・PL抜群だけど営業CF<<投資CF・自己資本比率低い:現金創出能力が低い可能性がある。増資リスク。割引率の関係上企業価値低い
・高PER・急成長、高時価総額:優位性や高成長を既に織り込んでいるし、どこまで織り込んでいるか分かりにくい。成長鈍化予測も難しいし価格算定もできないことが多い。
・IRのやる気がなし、配当過少:分かりにくい・株主の方を向いていない。
・利益率が低下傾向:成長に連れて減益になるってことはジリ貧確定。
・高度な労働集約:スケールしにくい。典型がコンサル、人材派遣。

3 投資を実行する手順

バイアスとノイズの排除のため、投資手順を決めて従います。

1 絶対的検討)「今後数年間10%強程度、利益成長ができるか」、中計、社長インタビューから類推します。

2 相対的検討)「現在の持ち株よりも上値余地があるか」比べます。具体的な対象と比較することでバイアスを解除します。

3 時間をおく)少額買って、いったん寝かせます。そのうえで判断が変わらなければ買い増しします。バイアスや気分による判断のばらつきを排除するため、分散して買います。

4 売る)成長鈍化や優位性崩壊、過ちに気づくか、何よりもさらに魅力的な株を発見した場合は、ただちにポジションの縮小を行います。

4 ポートフォリオのルール

1 確証バイアスが激しくなってしまうので、20銘柄くらいには分散します。
2 20%程度はオルカンやゴールドに投資し、日本崩壊に備えます。


きちんと記録している令和以降の投資成績は、以下のとおり。

  

SuriaBK (配当込税引後) S&P500(配当込ドル建)
R1 +32.4%
(1億8141万円)
+31.5%
R2 +30.7%
( 2億4758万円 )
※2月に元本800万円追加
+18.4%
R3+27.7%
(3億1607万円)
+28.7%
R4+6.2%
(3億3358万円)
-18.1%
R5+9.9%
(3億6856万円)
+26.3%
R6+16.3%
※1月に2000万円減資
+25.0%
R7???
※1月に500万円減資
CAGR+20.9%+17.7%