ピーターリンチは、「割安」をどう判断する?
ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け
ピーター リンチ (著), ジョン ロスチャイルド (著), Peter Lynch (原著)
ひきつづき、「機関投資家はバリュエーションをどう判断するの?」シリーズです。
バフェットと並んで有名なのが、ピーターリンチです。マゼランファンドというファンドのファンドマネージャーで、13年間で年率29%と、インデックス投資を大きく上回るパフォーマンスを上げました。
彼が「どういう株を買うか」というと、ショッピングセンターをまわって気になった銘柄、地味で不人気で変わり映えがない企業、ってな感じで・・・・・・まあ、「注目されていない小型株を身近なところから発掘しよう」、みたいなスタンスですね。
で。
「よい銘柄が見つかったら」、その銘柄が割安かどうか、どう判断するのでしょうか?
「一般的に、PERが成長率の半分だときわめて魅力的だし、PERが成長率の2倍なら非常に危ない。われわれのマゼランファンドではこの方法で株式を評価している」
「この方法さえわかっていれば、株価が買われすぎていないかどうかを計る他の方法はいらない」
「配当を考慮した利益の成長率の、やや複雑な算出方法もある。まず成長率を算出し(仮に12%として)、それに配当利回りを足し(3%とすると)、それをPER(10倍とする)割れば、(12+3)÷10=1.5となる。この答えが1以下なら見込み薄だし、1.5ならまずまずだろう。しかし、あなたが本当に探しているのは2以上である」
【同書228頁より引用させていただきます】
「この方法さえわかっていれば、株価が買われすぎていないかどうかを計る他の方法はいらない」
・・・ステキですね、この割りきりっぷり!
成長率(+配当)をPERでわる指標を、PEGレシオ(ペグレシオ)といいます。
「成長率をPERで割る」って、ぜんぜん別概念を混ぜてるんですが。PER30であっても、成長率30%が3年続けばPER18という常識的な数値に落ち着きます。ということで、3-4年先を見据えて「成長率が継続する」前提なら、機能するんですよ。中級者であれば知っている指標ですね。楽天証券だと、PEGレシオでスクリーニングできるくらいです。
とはいえ、
「PERが産業平均と比べて、高いか、低いか、適当か」
「過去数年のPERを調べることで株価水準もつかめる」
【同書192頁】
「同業他社のPERが11-12倍であるのに、その株のPERが15倍になった」(ら、優良株は売りのサイン)
【同書292頁】
など、過去PER、同業他社PERとの比較も併用しているようです。
さっそく、使ってみましょう。
あたしの主力銘柄オープンハウスは、
①(予想)PER9倍
②(M&Aで純利益が狂っているので純利益ではなく)営業利益の成長率は15%。配当率は2%くらい。
17÷9≒2
ということで、割安と分かります・・・・・・・・・・・・が。ここでワナがあります。不動産業はもともとPERが低いため、PEGレシオを使うと、だいたい「割安」という判定になってしまうんですよ。常に分母が小さいからね。
PERを判断するときに、成長率を勘案するのはたしかに必須なんですが、リンチもそうしているように、同業他社との比較もしなければ機能しません。
また、3-4年先を見据えて「成長率が継続する」前提、つまり成長率が一定、つまりは強靭な競争力を有しているのが大大前提。「この方法さえわかっていれば、他の方法はいらない」なんてバリュエーション方法は、なかなかないのが現実・・・・・・・。
読んでくれて、ありがとー!
今日も、PEGレシオ1以上の銘柄に囲まれた、良い一日をお過ごしくださいね。
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いつもタメにそして勉強になるお話をありがとうございます
これならロードスターキャピタルは、とても魅力的ですね
もうちょっとポジション増やして気長に待ちます
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>00-66-22-88さん
いつもありがとうございます!!
でも、不動産業は、もともとPERが低いので、お気を付けください・・・・ま、それを加味しても、ロードスターキャピタルは安いですが。