アップガレージ解剖①

アップガレージの株価が下がっているので、あらためて分析したいと思います・・・この会社、社長さんがTwitterやってくれて、しかも月次の動画解説、決算の質疑応答の開示もあり、至れり尽くせりなんですが、実はたくさんのセグメントがあってしかも利益率非開示なので、かなり分かりにくいんですよね。

これが通期の決算説明資料です。営業利益は9.6億円なのですが、なにがどうなっているのか「謎

」としかいいようがありませんので、ひもといていきたいです。

1 直営店
 売上が54億円。営業利益を10%ととりあえず仮定(どこかの会社説明会で、FCは営業利益率10%前後と言っていたのでこんなところでしょう)すると、営業利益は5.4億円となります。

2 流通卸
  タイヤ流通センターは、車検工場やアップガレージの隣でタイヤを売るシステムです。アップガレージが直接消費者に売るのではなく、タイヤの卸です。ネクスリンクは、カー用品の卸です。数あるパーツを各製造会社といちいち取引せずに、ネクスリンクなら一括で購買できるわけですね。
 これ、粗利率は10-15%と開示されていますが、所詮は卸売りなので、営業利益率となると2-3%というところでしょうか。売上49億円なので、利益は1.5億円くらい・・・なのかな。

3 FC
 この項目も厄介で、開店時にもらえる加盟金(5年償却?)や什器備品代など一過性のもの、そしてストック収益のロイヤルティすべてが含まれて売上12億円です。ざっくり利益率20%とすると、2.4億円。

以上、合計で9.3億円。まあ、こんなところでしょうか。

【通期の営業利益の内訳推定】
直営5.4億円
卸1.5億円
FC2.4億円


ここからまず言えるのが、「実はネクスリンクなどが伸びても業績へのインパクトはしれてる」ということです。売上利益が伸びるのは、ひとえに店舗の方が拡大するかにかかっています。

それでは、店舗の方は拡大できるか?

「アップガレージ」の店舗はライダースを併設していたりするので、簡易的に直営30,FC120店とします(「アップガレージ」ブランドは直営25,FC111店)。直営5店舗、FC10-15店ほど増やしていく計画です。FCは既に111店ありますが、営業利益としては2.4億円なので、10%増でも2400万円・・・全体の利益からみると3%増益に寄与するに過ぎない。

直営の方は、30店のところ5店だせば+16%、通年フルに寄与すれば9000万円ほど利益が増える計算です。キモは直営を増やすことにあることが分かります。補助的にFC増加ですね。

これで増益11%くらい・・・。卸は仮に増えても利益にインパクトがありませんから、あとは利益率を改善するしかなく、中計では利益率が漸増する計画になっています。

では、利益率は改善できるか?

IR動画では、カーナビやドラレコなど取り付けサービス開始による単価の向上や、ネクスリンクをシステムとして貸し出して利用料をとる・・・・こんな感じで利益率はアップさせていく、と言ってはいます。

実績としては、アップガレージは毎年利益率が改善してきています。たまに人件費、あとは運送費や広告費、これらが売上に応じては上がっていない・・・簡単にいうとスケールメリットですね。システム投資も盛んで30名SEを抱えているそうですから、省人化に注力しているのもあるかもしれません。


ということで、結局、アップガレージに投資するということは、

①売上の増加=主に直営店が、毎年5店強、出店できることに賭ける。
②利益率の増加=スケールメリットの享受やサービス拡充で利益率が増大することに賭ける。

ことになります。

①については、まだまだ空白地帯があり競合もいない。FCも新たに募集していなくらいなので、大丈夫でしょう。
②については、そんな簡単に利益率改善できるかな、とも思いますが、少なくとも広告費はスケールメリットが享受できるのは明らかですし、実績としてどんどん下がっているので、まあ大丈夫なんではなかろうか。店舗拡大よりは確度はさがるとも思いますが。

つづく。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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