すぐれた企業の共通点 総ざらい


「企業の成功の要因はさまざまだが、失敗の原因に共通点がある」とか誰かが言ってましたが、ウソだと思います。

「多店舗展開に成功している」企業の、「内部者が」ノウハウを具体的に書いた本を何冊か読み「共通する成功の要因」を整理してみたいと思います。

サイゼリヤ
ニトリ
マクドナルド
丸亀製麺
ワークマン
神戸物産(業務スーパー)
シャトレーゼ
コメダ珈琲
吉野家
大戸屋
ココイチ
ドンキ
モスバーガー
スシロー
日高屋
富士そば
スタバ

あとは記事にしていませんが、無印良品やユニクロも読みました。

まず大事なのは「経費の削減」です。なぜなら、「売上の増加」はある意味で水物であるのに対し、ムダの削減は確実に自社内でできるから。

そして、最大の経費は人件費ですので、まずはオペレーションなど現場の運営の絶え間ないカイゼンが必要です。モノの配置を変えたり、人手をかからなくする設備へ投資したり、作業を標準化したり。小さなムダとりを繰り返し、オペレーションを磨き上げていきます。
ただし、「商品の質にかかわらないところの」効率化であることに注意が必要です。

・丸亀製麺は手打ち、その日に出汁をとる
・スシローは原価率50%、セントラルキッチンも廃止
・マクドナルドも作り置きはせず、焼き立てをいかに早く提供するかに命をかけている
・コメダ珈琲はパンは店舗でカットする
・シャトレーゼは山梨の名水と、自社で仕入れた卵と、低温殺菌牛乳を使う。

安かろう悪かろう、はカイゼンではありません。


では、どうやってカイゼンするか?次に目につくのが、「データ重視」です。個人の経験や勘に頼らず、客数、リピート率、離職率などとにかく数字に着目し、打てる手をうち、有効だったか数字で検証します。レジを2台に増やしてみる、陳列場所を変えてみる、生姜をグローブで向いてみる、で効率化がされたか数字で検証する。組織が大きいので、個人の経験や勘に頼れませんし、頼るべきでもありません。特定の店舗で試し、有効であれば他の店舗に広げていきます。

効率化がすすむと、単純化、標準化され、

・作業がバイトでもできるようになり、人件費が下がる。
・効率があがって作業時間が減るという意味でも人件費が下がる。
・作業が明確になるので、人事評価も公正になり、離職率も低下する。

これによって最大の経費である人件費が下がるので、売値に対して品質が高くなり、二流立地や宣伝なしで客が集まる。家賃も広告費もないのでさらに売値に対して品質が高くなり、利益率が高いので新店舗を出すお金もできて、利益率が高いので小規模商圏でも出店できて、新店舗が増え、さらに規模の利益を享受して・・・・以下成長の無限ループ。


あとは・・・・・関係者がウィンウィンのところが多い・・・従業員をブラックにこきつかったり、バイイングパワーでムリに仕入れ値を安くすることはない。スシローもサイゼリヤは仕入れでムリな値切りしないし、ワークマンも神戸物産もフランチャイズフィーはとても低い。ワークマンは社員に短期目標も期限もノルマも課さない。社員がのびのび働き、よって離職率も低くて安定し、取引先もニコニコ、でお客さんも満足。ただ、どうしてこれが実現できるか、というと、やはり前述のムダ取りが最初の原因かな。ムダがないから社員が疲れない、経費もうく、お給料も出せる、取引先に無理に値切ることもなく、客に還元されるところも増える。


あとは、スピード。Keeperでは特定の店舗の売上が悪ければ、同条件の店舗などと比べてすぐに原因の仮説をたて、カイゼンを行います。業務スーパーの本では、ある機械を捨てると言ったのに、「翌日」捨ててないことを社長に咎められたというエピソードが出てきましたし、ニトリでは週単位で物事を分析し、行動計画を立てています。というのも、カイゼンが遅れれば、それだけ、利益率が上がるのが遅れるわけですから、大規模な企業だと凄まじい金額の損失になるわけですね。これを実践するには、音頭をとる社長が、実験と検証を繰り返す理系的な思考をするひとであることが欠かせません。工場の技術者みたいなひとが多い印象でした。同質のものを不良品なく素早く大量生産する、というのはまさに工場でしょう。


ということで、成功する企業の共通点は、一言でいうと、「効率化による人件費の節約、ただし品質も落ちる効率化はしない」。




ってことで、投資家としては、利益率が下がっていないか、注目したいと思います。ま、内部でどうカイゼンしているかって、情報としてとりにくいのだけど・・・・利益率の推移、そして社員一人あたりの利益の推移をチェックすることで、おおむね代替できます。成長すれば普通は利益率が下がりますが、これが上がるなら、規模の利益を享受している証拠です。投資する前に、バフェット・コードで、社員一人あたりの営業利益をチェックするクセをつけましょう。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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