いまごろ、PBRですか?

機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法
泉田 良輔  (著)

以前、レビューしましたが、読み直したところ、「やっぱり良い本だ!!」と思ったので、再度、記事にします。

「予想のいらない」株式投資法って?

前の記事を要約すると、「コンセンサスや過去PERの上限下限を使って、バリエーションを測ろう。独自予想はいらない」というところです。

ところで、この本、実は、最終章はバフェットの話でおわっているのですが、すごく興味深いことをいってるんです。

株主資本が、複利でふえていく!

バフェットの投資法とは・・・

ステップ1)高いROEが継続しそうな銘柄を買収する。
ステップ2)ROEが、たとえば30%だとすると、株主資本は毎年30%、複利でふえていく。
ステップ3)バークシャーはPBR1倍くらいで評価されているので、毎年30%自己資本がふえていく買収した会社の価値は、毎年30%ずつ増加して評価される。これで、年9%くらいの増加率のインデックス投資に勝つ。

バークシャーに買収されて非上場化→「株式市場での時価」がなくなって、PBRつまり株主資本の金額をもとに評価される


というところがキモですね。


あたしも含めて、みんな、売上や利益ばかりみていて、「株主資本がいくらか」とかPBRなんて、みませんよね。バリュー投資ならともかく、PBRが低かろうが高かろうが、どうでもいい・・・・。


ところが、株主資本は、(配当をムシすれば)ROEの分ずつ、複利でふえていきます。

そうすると、(PBRがおおむね一定であれば)株価もROEの分ずつ、ふえていきます。ROEが30%であれば、市場全体の下落で30%株価が下がっても、1年で復活できるわけです。


PERだと利益が基準ですから、「複利でふえていく」というのをイメージしにくい。その点、PBRですと、蓄積していく株主資本が基準ですから、「複利でふえていく」のを実感しやすいですね。

詰めるべき、問題点は?

問題は、「高いROEが継続する銘柄はどれか?また、PBRはおおむね一定なのか?」というところですね。高いROEが継続する・・・・PBRが変わらない・・・・いずれも、「堅固な競争優位性がある」ことに行き着きます。

堅固な競争優位性があれば、投下資本のわりに高い利益がいつもとれる・・・・それゆえ、株主資本の1倍以上の値段で取引される・・・・。

ちまたのバフェット本だと、まとまりのないバフェットの「名言紹介」に終わっている本が多いので、何がポイントか、分かりづらいところがありますが、この本は、バフェットの投資法をきっちり説明してくれていて、スッキリしました。

あたしたちは、「会社をまるごと買収して会社の時価、株価を消す」ことはできませんが、株主資本に注目してPBRをみることはできます。株主資本がROEのパーセンテージで増え続ければ、怖いものは何もありませんね!PBRでみることも、忘れないようにしましょうー。

今日も、ステキな銘柄に囲まれた良い1日をお過ごしくださいね。

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投資の総論本の書評

1件のコメント

  • リタイア希望

    2億大先生主力銘柄のグッドスピードはどう思いますか?
    少しだけ私も持ってますが。

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